内容説明
「都市にはラーメンを食べて死ぬ自由があり、瞑想するための場所がある。」
ラーメンとは獣の世界との接続である。
そこには欲望を直接的に満たすために存在する事物との具体的なコミュニケーションだけが存在する。
瞑想とは神の世界との接続である。
それは精神を研ぎ澄まし、抽象的なレベルで認識をアップデートする神聖な時間となる。
そしてこの二つの世界を往復することで、僕たちは人間を超える……。
ラーメン富士丸、しんぱち食堂、PARIYA AOYAMA、武蔵野アブラ學会、大船軒、CHATTY CHATTY、はま寿司、ひまわり、とん太、松石、野方ホープ――作者の愛する飲食店での食と思索の日々を描いた12の記録。笑えて、考えさせられて、そしてお腹が空く。小説のような、エッセイのような、そして批評のような一冊。
目次
#1 ラーメン富士丸と『人間の条件』(前編)
#2 ラーメン富士丸と『人間の条件』(後編)
#3 しんぱち食堂と無位の真人
#4 PARIYA AOYAMA と『哀れなるものたち』
#5 武蔵野アブラ學会と『カワセミ都市トーキョー』
#6 大船軒と『「自然」という幻想』
#7 CHATTY CHATTY と『オッペンハイマー』
#8 はま寿司と〈無敵の人〉
#9 「ひまわり」とクックロビン音頭
#10 とん太と『作家の値うち』
#11 松石と『負けおじさんがキモすぎる!』
#12 野方ホープと「恐れと悲しみの中を生きる者」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
51
友人Tとの高田馬場から新国立競技場までのランニング、その後の瞑想と食事が題材になっているエッセイ。売れていないようだ。個人的な話題が公共性へはつながらない射程は、宇野に興味がなければ広がらない。だが読んでいくとその理由が書かれている。村上春樹の評価。初期はマルクス主義のような大きな物語へのデタッチメントがモチーフになったため日本文学からは拒絶された。その後、政治的イデオロギーに依拠しない個人的マクシムに基づくコミットメントが描かれる。だがそれは、弱い女性を救済する性的搾取がモチーフの男性性を強化する物語と2025/09/11
チャーリブ
35
目の都合により飛ばし読み。食についての哲学的エッセー集といったところ(ちなみに私はラーメンにも瞑想にもさほど関心がありません)。時系列的に言うと「瞑想と(その後の)ラーメン」となろうか。著者と、現代のルソー的人物の友人Tは、毎週水曜日の朝に集まって瞑想をし、それが終わるとラーメン屋に駆け込んで食に没入するという「朝活」を行っている。T曰く、「ラーメンと瞑想の往復は、神であり動物である我々の環世界である。云々」。高尚な議論を削ぎ落とすとサウナと水風呂の関係のように思えるのだが。2025/11/07
tetsubun1000mg
19
初読みの作家さんだが、タイトルの面白さとパラパラとめくるとラーメンについてしっかり描いているように感じたので選ぶ。 ラーメンや食についての記述は少々固いが面白い。 ただ宇野氏の日常に登場する編集者T氏との会話と行動がなかなか理解に苦しむ難解さよ。 哲学者かと突っ込みたくなる編集者T氏だが、読んでいくうちに難しいなりに考え方が理解できるようになってくる。 午前中から5~10キロを歩いてラーメンやとんかつ定食などを食って、食後に30分瞑想するという行動も良く分からないが、食べることに集中する点で面白く感じる。2025/09/22
jackbdc
10
共感マシマシで面白がれた。著者の孤食と供食に関する拘りやT氏のような友人関係が私にも似ているとは言い難いけれど全く重ならないという訳でもない。食事を通じて自らの獣性に気付いたり、街を徘徊して肉体的な疲労感を味わいつつ、脳内物質を放出して賢人モードで友人と御託を並べ合う事の愉しさも知っている。本書が何処まで創作なのかは知らないが、中年男たちの珍道中に親近感を覚え、後半は自分事過ぎて見ていられなくなって、むしろ間延び感を覚えるほど。いずれにしても珍道中を共にできる友人関係を大切にしたいと改めて思った。2026/01/03
スエ
8
なんだこれは、バカみたいに面白いぞ と、読み終わってないのに閉店間際の書店に行って、ほかの著作を探してしまった…くらいに最高でした。批評家の宇野常廣と、長年の友人にして「恐れと悲しみの中を生きる者」こと編集者Tの、ランニングと瞑想と食を通じた交友録。批評精神をこじらせると人間はアホになってしまうのか、それともラーメンには高尚な思索的人間さえもアホにしてしまう魔力があるのか。文体が完全に村上春樹なので、半分おふざけで書いてるのかなと思いますがこれは激しくオススメです。深く考えずにゲラゲラ笑えました。2025/10/23
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