内容説明
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好評書『安全人間工学の理論と技術 ヒューマンエラーの防止と現場力の向上』の改訂版。事故の多くは人間のミスや不注意などヒューマンエラーに起因する一方で、人間がもつ柔軟な対応力によって大事故が防がれることも多い。本書は、安全における人間の役割・特性を理解し、「ヒューマンエラーによる事故をなくす、ヒューマンファクターにより事故をなくす」という視点で、よりよい安全への取り組み:事故の再発防止・未然防止の分析手法や対策、安全教育や監査、安全を推進するための技術やマネジメントシステムについて体系的に解説。初版の内容を全面的に見直し・更新し、実務に役立つよう最新の知見を網羅した。
目次
1章 安全の考え方
1.1 安全とは
1.2 リスクとリスクマネジメント
1.3 レジリエンス
1.4 Safety-I とSafety-II
2章 ヒューマンファクターと安全
2.1 ヒューマンエラー
2.2 ヒューマンエラーと安全の組立て
2.3 ヒューマンエラーの説明モデル
2.4 ヒューマンエラーの種類
2.5 レジリエンスの能力
2.6 ヒューマンファクターの見かた
2.7 ヒューマンファクターへの取り組みの実際:猛獣動物園を考える
3章 現場改善
3.1 業務改善
3.2 人間工学による現場改善
3.3 アラーム
3.4 フールプルーフ,インターロック
3.5 作業環境への配慮
3.6 作業への配慮
3.7 加齢に伴う問題
3.8 人間中心設計プロセス
4章 マニュアルの制定と徹底
4.1 マニュアルの性格
4.2 マニュアル設計:現場の受容性
4.3 マニュアル設計:記述方法
4.4 マニュアル管理
4.5 マニュアル教育と指導
4.6 規程違反への対応
4.7 規程違反者への介入
4.8 倫理の限定性
5章 注意の特性と不注意
5.1 不注意
5.2 視覚の特性と見落とし
5.3 注意の特性と見落とし
5.4 注意の対象化
5.5 記憶
5.6 認知的けちと不注意
5.7 時間不足と不注意
6章 知覚・認知の特性と“思い込み”
6.1 錯覚
6.2 環境のもつ意味性
6.3 思い込み
6.4 認知バイアス
6.5 行動誘導
7章 認知モデル
7.1 S-O-R モデル
7.2 認知モデルを必要とする領域
7.3 マンマシンシステム(MMS)
7.4 行為の7 段階モデル
7.5 PDS モデル
7.6 階層的タスク分析(HTA)
7.7 SRK モデル
7.8 情況決定制御モデル(COCOM)
7.9 状況認識(SA)
8章 診断
8.1 診断とは
8.2 診断の検討順
8.3 診断力
8.4 誤診
9章 コミュニケーションとチームづくり
9.1 コミュニケーションの“機能面” と“情緒面”
9.2 言い方
9.3 言うタイミング
9.4 復唱
9.5 チームワーク
9.6 チームの雰囲気
10章 ノンテクニカルスキル
10.1 CRM とNTS
10.2 ノンテクニカルスキルのプログラム構成
10.3 TEM (Threat and Error Management)
10.4 ノンテクニカルスキルのプログラム開発
10.5 ノンテクニカルスキル能力の評価
11章 危険予知(KY)
11.1 危険予知訓練(KYT)
11.2 KY の “What if ” 展開
11.3 要因展開図によるKY
11.4 KY の 留意点
12章 安全態度
12.1 望まれない態度
12.2 “隠す” 行動
12.3 安全啓発
12.4 行動変容のモデル
13章 安全防護
13.1 機能安全による防護
13.2 制度による防護
13.3 人による防護
13.4 信頼性設計の手法
13.5 ダブルチェック
14章 職業適性と教育訓練
14.1 職業適合性
14.2 性格
14.3 教育訓練の管理とデザイン
14.4 教育訓練のモデル
14.5 シラバス
14.6 教育訓練の方法
14.7 監督者のマネジメント力の強化
14.8 教育訓練成果の評価
15章 業務管理
15.1 業務プロセスの標準化
15.2 背後要因
15.3 スイスチーズモデル
16章 職場風土と安全文化
16.1 安全風土
16.2 組織文化と安全文化
16.3 チョルノービリ原子力発電所事故
16.4 安全文化のモデル
16.5 安全文化の把握と評価
16.6 安全文化の構築
16.7 高信頼性組織
16.8 組織事故
16.9 ノーマル・アクシデント
16.10 レジリエントな組織
17章 安全マネジメント
17.1 安全マネジメントの意義
17.2 脅威に見合った活動
17.3 安全マネジメントのプロセス
17.4 現場からの安全情報の収集
17.5 安全情報の集計
18章 事故調査の基本
18.1 事故調査の意義
18.2 事故形態のモデル
18.3 事故調査者が身に着けるべきスキル
18.4 ヒアリングのスキル
18.5 事故調査のフォーメーション
18.6 調査項目
18.7 対策立案のスキル
19章 事故分析の手法
19.1 事故分析の意義
19.2 関係する要素を整理していく手法
19.3 事実を整理していく手法
19.4 原因・要因を整理する手法
19.5 認知モデルによる分析
19.6 管理・組織要因との関係の検討手法
19.7 共通要因分析
20章 未然防止の手法
20.1 未然防止とは
20.2 要因展開
20.3 システムの安全管理要素の分析
20.4 正常からの逸脱とその影響予見:HAZOP
20.5 制御に注目したリスク分析:STAMP/STPA
20.6 事前防止:PDPC 図法
21章 確率論的安全性評価
21.1 フォルトツリー分析(FTA)
21.2 確率論的安全性評価
21.3 FTA の既約化
22章 安全監査
22.1 検査と監査
22.2 安全監査のスタイル
22.3 マネジメントシステムの監査
22.4 安全・安心・信頼
参考文献