思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝

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思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝

  • 著者名:ラナ・ゴゴベリゼ【著】/児島康宏【訳】
  • 価格 ¥5,742(本体¥5,220)
  • 白水社(2025/07発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
  • ポイント 1,300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784560091234

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内容説明

「女性と時代」を描いてきた映画作家の詩と真実

90歳を超えてなお新作を発表し、ジョージアでもっとも重要な映画監督のひとりであり続けているラナ・ゴゴベリゼ──その彼女が自らの来し方を「思い出されるままに」綴った文学的メモワール。7歳のころ、ジョージア共産党の幹部だった父親が粛清され、母親は流刑に処せられたラナは、ひじょうに不安定な世界で幼少期を過ごした。独裁へと至った共産主義に父が深く関わっていたこと、母を失ったこと、これらはいまもなお彼女に影のようについて離れず、とりわけ後者は、映画作品の中で彼女が幾度となく立ち返るテーマとなっている。
文学を愛した少女はいかにして母と同じ映画の道へと至り、そして、父と同じく人びとの未来を想い、国家の混乱期に政治家となることを選んだのか──波乱に満ちた日々のなかで、彼女はそれでもつねに気高く、己の精神に忠実であろうとし、また、その生にはいつも詩が寄り添ってきた。ヨーロッパとソ連/ロシアの狭間で翻弄されるジョージアの20世紀が、映画作家の個人史を通して、まさに「言葉に示されたこの世の像」(パステルナーク)として立ち現われる。母ヌツァが流刑先での経験を綴った短篇小説を併録。

[目次]
  ラナ・ゴゴベリゼの家系図
  ジョージアとその周辺
 日本語版への序文
〈私は夜、追憶の微かな足音に 耳を澄ます道のよう……〉
バルノヴィ通り二十六番、ボヴィザージュ夫人とエリュアールの詩「自由」
子供の目から見たソ連の奇妙な暮らし
§ 母の短篇「幸福の列車」
伯父ラジデン──子供時代の崇拝と愛
§ 母の短篇「三色スミレ」
なぜか「バブ」(おじいちゃん)と呼ばれていた祖母エヴドキア
§ 母の短篇「二度の変貌」より(一)
運命に結びつけられた二つの家族
§ 母の短篇「二度の変貌」より(二)
恐怖政治への応答としての「ジョージア人の陽気さ」
第二次世界大戦、エドガー・アラン・ポー、『ギオルギ・サアカゼ』、パアタの首
戦時下のピオネール宮殿──ソ連の暮らしにおける一つの逆説
私を監視していた秘密警察員
詩作という伝染病
§ 母の短篇「ペチョラ川のワルツ」
初恋
終戦、私の「恩赦」と特殊売店の白パン
§ 母の短篇「アズヴァ・ヴォムからコチマスまでの徒行」


私の大学、山の発見
ウォルト・ホイットマン、あるいはシャルヴァ・ヌツビゼはソ連の検閲をいかに欺いたか
ラド
モスクワ、全ソ映画大学、ゲラシモフらとの出会い(ブーロフ、ミコヤン、セルゴ・ロミナゼ)
地下出版物──明かした夜、アンナ・アフマートワ
パステルナーク
スターリンの死
私のモスクワの友人たち、母の三人の「囚人仲間」
シャルマン
セルゴ・ツラゼ──パリから来たジョージア人
映画人生、検閲、禁止……、そして私の初期の作品
六〇―七〇年代──ジョージア芸術の発展期、映画祭、ジョージア訪問を許されなかったフランシス・フォード・コッポラ
パリ、一九六九年、覚書
再び映画人生、中央委員会第一書記との面会も
イタリア、一九七四年、覚書(フェリーニ、アントニオーニ、ザヴァッティーニと)
タゴールの故郷で、サタジット・レイとの面会
セルゲイ・パラジャーノフ、ムタツミンダ地区の彼の驚くべき家を我々はいかに失ったか
『インタビュアー』、サンレモ映画祭、ラドの死
ジョージアは言語を守った
新しく得た友人たち
テンギズ・アブラゼの『懺悔』
『昼は夜より長い』、一九八一年、覚書
映画祭――ベルリン、カンヌ、東京、リオ・デ・ジャネイロ
『ペチョラ川のワルツ』──過去との決別
一九八九年四月九日
〈死の道も薔薇色の道にほかならない……〉
独立の夜明け、メラブ・ママルダシヴィリ、またもや敵探し
一九九四年、覚書
欧州評議会、すなわちヨーロッパでのジョージアの大いなる挑戦
結び
  訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

14
ジョージア映画祭にて、ラナ・ゴゴベリゼ『母と娘 - 完全な夜はない』のドキュメンタリーを観て、その書籍版というような本なのだがソ連時代の粛清が生々しく語られている。というのもラナの両親がそうした粛清された人だったので、痛ましいほどの幼い時の記憶やら母と再会してからの人生(母をテーマにした映画も作られた)も語れる。何よりも凄いのは母はソ連で最初の女性監督で、そうした芸術家との出会いも多かった。「完全な夜はない」はシュールレアリスム詩人ポール・エリュアール言葉。それを確かめたくて借りたのだ。2025/01/24

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