筑摩選書<br> 昭和期の陸軍

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筑摩選書
昭和期の陸軍

  • 著者名:筒井清忠【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2025/07発売)
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  • ISBN:9784480018304

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内容説明

現代人に必須の知識である昭和史。だが昭和の戦争・軍隊とりわけ陸軍の歴史については、少なからぬ間違いを含んだ書籍が広く流通しており、正確な叙述による理解が求められている。本書は、長年にわたり昭和陸軍史研究をリードしてきた著者による、信頼できる昭和陸軍史論集。大正時代の陸軍の考察から始まり、昭和陸軍の派閥抗争史、二・二六事件の真相とその研究史など、昭和陸軍の理解に不可欠な論考を収録。昭和戦争史のブックガイドまで完備した、昭和史理解に必携の一冊。

目次

はじめに/第1章 甘粕大尉事件(大杉栄・伊藤野枝事件)/1 甘粕大尉事件をめぐる謎と問題点/はじめに(事件の概要)/事件発覚の経緯/問題点は何か/2 伏線としての朴烈事件/甘粕に対する世論/朴烈事件をめぐる報道/義烈団の暗殺・破壊計画/朴烈の動き/大杉と朴烈事件との関係/3 アナキストの暴力・テロ行為と軍人の社会的評価/ギロチン社(中浜哲と古田大次郎)らのテロ計画と大杉/ギロチン社の暴力・テロ行為/伊藤野枝との会話に見る軍人の社会的評価/4 事件の背景にあった警察と陸軍の対立関係/「国家国法を認めない者」(弁護側の大杉批判)/後藤新平内務大臣と大杉との関係/5 ポピュリズム的世論の扇動──劇場型現象としての甘粕裁判/東京高校初代校長湯原元一の議論/判決とポピュリズム的世論──昭和へのつながり/第2章 大正期の軍縮と世論/1 ワシントン条約を迎えて/陸軍への忌避のはじまり/国民から離れたところに軍隊はあり得ない/世論の急激な変化/軍縮の波は海軍にも及ぶ/2 第四五議会と陸軍軍縮案/「時代は変った」「世界の大勢」という大義名分/軍縮の本来の目的とは/陸海軍大臣の議会への責任/「戦争を予想することすら罪悪」/さらに進んだ軍縮傾向・軍閥批判/3 陸軍軍縮案の発表とその社会的影響/陸軍の順延策に対する新聞の追撃/陸軍軍縮案決定後も続く厳しい追及/迷走、さらなる大幅な軍縮へ/陸海軍の〝惨めな状況〟/退役軍人たちの苦難/軍学校受験者の激減/4 大正期の軍縮の歴史的意義/第3章 昭和期陸軍エリートの成績・昇進・派閥/はじめに/陸軍の中央機構/陸軍のエリート養成システム/陸大エリートの人事・昇進システム/学校成績と昇進/陸軍における閥の形成原理/むすび/第4章 昭和陸軍派閥抗争史/陸軍派閥対立の起源──九州閥と一夕会・青年将校運動/皇道派vs統制派/二・二六事件後──石原派vs東条派/武藤軍務局長と田中・服部・辻の参謀本部/中堅幕僚グループの重要性/第5章 二・二六事件と昭和超国家主義運動/昭和超国家主義運動の起源/昭和超国家主義運動の展開/昭和期陸軍の抗争/二・二六事件/第6章 二・二六事件研究史/「皇道派史観」と「統制派史観」/青年将校たちの記録・証言から見えてくるもの/クーデターの構造の解明と「将軍たちの陰謀説」の否定/裁判資料の存在とその後の諸研究/裁判資料発見と公開の経緯/第7章 二・二六事件の史実と虚構──映画『叛乱』をめぐって/小説の映画化に向けて/青年将校の思想を肯定/空前の大作として大ヒット/俳優陣と映画のポイント/史実としての安藤の苦悩/史実との違いと処刑シーン/第8章 天皇指名制陸相の登場──昭和一四年における天皇・陸軍・新聞/阿部新首相決定/三長官会議による多田陸相の決定/関東軍の抵抗/東条派による多田陸相阻止活動/天皇の陸相指名/天皇が「陸軍と衝突するの虞」/天皇の陸相指名と陸軍の立場/多田駿陸相の可能性/小括/第9章 乃木希典──旅順戦・殉死・「昭和軍閥」/乃木の生涯/旅順攻囲戦の指揮/乃木の詩才/殉死の報道/殉死への庶民とインテリの反応/福沢の皇室論を絶賛/乃木・長州閥排撃から作られた「昭和軍閥」/第10章 堀悌吉──海軍軍縮派の悲劇/生い立ち/海軍兵学校/日本海海戦/フランス駐在と海軍大学校/ワシントン会議/国際連盟軍備縮小会議、ジュネーブ海軍軍備制限会議/ロンドン軍縮会議/上海事変/大角海相人事/退職後/考察/終章 昭和戦争・軍事史書を読み解く/I 昭和の戦争と陸軍を知るための基礎/1 必読書一〇冊/間違いが多い歴史書/陸軍について知る本/海軍について知る本/太平洋戦争について知る本/2 広田照幸『陸軍将校の教育社会史』/軍縮とデモクラシーの台頭による志願者減/一貫していた陸軍の選抜基準/3 高杉洋平『昭和陸軍と政治』/皇道派の衰退と統制派のマジョリティ化/軍事大国とは程遠かった日本/II 青年将校運動と二・二六事件/1 末松太平『私の昭和史』/「軍服を着た百姓一揆」としての二・二六事件/「昭和維新」に生きた生涯/「最後の戦い」としてのマスメディア批判/青年将校運動の「初心」──純粋であること/2 磯部浅一『獄中手記』/国家革新運動との出会い/北一輝『日本改造法案大綱』からの強い影響/二・二六事件前後の動き/磯部の叙述の迫真性と正確性/石原莞爾に対する誤解/天皇への「恋闕の情」/3 『軍事史学 特集 青年将校運動』/「聖訓奉体」という境地/大岸頼好と二・二六中核者の距離/4 半藤一利『歴史探偵 昭和の教え』/青年将校たちの「宮城占拠計画」/半藤氏の「二・二六」観は「新しい」のか/事件の全貌はすでに明らかにされていた/読者を大切にした著者に報いる道と信じて/III 陸軍統制派とは何か/1 高宮太平『軍国太平記』/生き生きと描かれた昭和軍閥史/統制派系の新聞記者として/宇都宮太郎の最期の描写に見られる皇道派批判/統制派の実像とは/2 前田啓介『昭和の参謀』/統制派の中心人物・池田純久による貴重な証言/戦争中から唱えた日中戦争不拡大/新たな知見が盛られた成果多き書/3 前田啓介『辻政信の真実』/謎多き人物・辻を物語る数々の証言/新たな事実を解明した労作/IV 日米開戦・陸軍の組織/1 牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦』/日米開戦八〇年を迎えて/正確な実証に基づき日米開戦の謎を解いた書/日本が開戦を選んだのはなぜか/日米開戦論研究の水準をまとめた優れた論攷/2 山本武利『陸軍中野学校』/陸軍中野学校とは何か──徹底した秘匿主義/興味深き「革新運動」の気風/3 山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』/「員数主義」にむしばまれた帝国陸軍/虚構の世界を「事実」とした末路/太平洋の陸や海から聞こえる怨嗟の声/あとがき/初出一覧/人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

62
著者が過去に様々な場所で出してきた昭和陸軍に関わる論文を集めたもの。特にちくま新書の『○○史講義』からのものはほぼ既読だった。当然二・二六事件のものが多く、また大正~昭和の新聞・議会の動きを「ポピュリズム」で括るなど、最近の著者の傾向も出ている。内容の重複も多く、もう少し加筆したり整理してほしかった。また相変わらず具体例を引かずに(例外は半藤一利への書評など一部はある)軍の研究に間違いが多いと書くが、自著の引用なしに怒っているところもあり、こうしたある種高い場所からの書き方がやっぱり鼻についてしまう。2025/12/28

CTC

11
7月の筑摩選書新刊。筒井清忠が過去著作から「正確な昭和史を求める読者の手助けのため」に“昭和陸軍”についての書き物を纏めたもの。と云いながらセンセイも態々「大正時代の陸軍」の章を置いている、昭和陸軍を理解するには大正期を知らねばなのだ。ついでに乃木希典と堀悌吉の論考を入れているのもご愛嬌というより、立体的把握の手段でしょう。門弟=髙杉洋平の著作を読んだばかりで、当たり前だが、歴史認識は重なる訳だが、圧倒的にセンセイのテキストのほうが面白いのはなんでだろう(笑)。オリジナルの強さかなぁ。2025/08/31

あずLOVE@星詠み

0
昭和陸軍研究といえば、この方!ご自身の研究成果だけでなく、多くの先行研究を紹介してくれる。すでに何冊も類似の書籍を出しているが、どれも日本近現代史研究をするための事前準備として一読をおすすめする。先行研究探しは大変な作業だが、その一助となろう。昭和陸軍研究がもっと活性化して欲しいという、著者の期待に応えたいものである。2025/12/07

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