内容説明
今こそ世界の欺瞞に目を向けよ!
大規模気候変動、核戦争の危機、シンギュラリティの脅威、テクノ封建制……加速度的に発展しながら着実に破局へと突き進む人類は、本当に「進歩」しているのか? 無知と危機、怒りと陰謀が終わりなく循環し、明日も変わらぬ暮らしが続くことが人々の第一の関心事であるこの世界の本質を凝視せよ!世界を代表する現代思想の奇才が、加速主義から斎藤幸平の脱成長コミュニズム、映画『シビル・ウォー』や『PERFECT DAYS』までをも縦横無尽に議論の俎上に載せながら、これまで「進歩」の概念が覆い隠してきた欺瞞を暴き、地球規模の惨事に備えるための新たな連帯を構想する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アンパッサン
2
まるで鬼滅の刃の「柱」たちだ。たとえそういう悲劇が待っていようとも、人智をつくして争わなくてはならんのだな。巷に広がるやっすいファシズムにも、自然環境にも。 マジョリティに流されてはならん。心地よい、キレの良い言質に飛びついてはならぬ。 あと、視界や実感、居場所への異質なイメージを提示してくれた。ぼんやりとだけど、そう受け取った。2025/07/31
遊動する旧石器人
1
2025年7月10日第1刷発行。『イデオロギーの崇高な対象』を読む前に読んでみたスラヴォイ・ジジェクの訳書。『「進歩」を疑う』という書題だが、おそらく人類が前に向かっているという状態ではなく、反復している状態をジジェク的に言及していると思われる。なので、終末は永遠に先延ばしにされる状態で、一向に訪れない。大きくは円環の中で構成されており、破滅もその構成の1つであるため、そこに向かうベクトルを否認(現実逃避)してしまえば、それに備えることも出来ない。発展しているように見えて、単純な円環的論理の籠の中の人間。2025/07/24
斉の管仲
1
ジジェクの本は面白いが、話が飛び過ぎていて、良くは理解出来ません。物事の本質は、そんなもんなんだろうけど。2025/07/22