内容説明
今こそ世界の欺瞞に目を向けよ!
大規模気候変動、核戦争の危機、シンギュラリティの脅威、テクノ封建制……加速度的に発展しながら着実に破局へと突き進む人類は、本当に「進歩」しているのか? 無知と危機、怒りと陰謀が終わりなく循環し、明日も変わらぬ暮らしが続くことが人々の第一の関心事であるこの世界の本質を凝視せよ!世界を代表する現代思想の奇才が、加速主義から斎藤幸平の脱成長コミュニズム、映画『シビル・ウォー』や『PERFECT DAYS』までをも縦横無尽に議論の俎上に載せながら、これまで「進歩」の概念が覆い隠してきた欺瞞を暴き、地球規模の惨事に備えるための新たな連帯を構想する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
53
タイトルのにあるとおり「進歩」とは・・を考える。それとは似て非なる言葉かと思うが、何かといえば「成長」の2文字しか出てこない風潮を念頭に置きながら読んだ。前提となる知識が少ないのもあって、なかなか先に進まなかったが読了。何度か出てきた「覆い尽くされた」というフレーズが、一番、印象として強く残る。これだけでも、大きな収穫かもしれない。2025/10/04
特盛
33
評価3.6/5。ラカンやヘーゲルを軸足に置いた哲学者、批評家、シジェクによる社会批評エッセイ。「進歩」の逆説がテーマであり、哲学のみならず映画や物理学や神経科学も素材としておもちゃ箱のような様相だ。議論の射程は資本主義や脱政治化された社会、気候変動問題など。切り口は辛口で軽快だけれども、ベースはもうどうにもならねえよ!って絶望を抱きながらのくだまきとの印象を受け、読中は楽しいが読後何かすっきりするわけではない。居酒屋で一緒に飲んだらオモロそうであるけれど。2025/09/18
よっち
26
これまで「進歩」の概念が覆い隠してきた欺瞞を暴き、地球規模の惨事に備えるための新たな連帯を構想する1冊。加速度的に発展しながら着実に破局へと突き進む人類は、本当に「進歩」しているのか。進歩はあくまで局所的なものでしかないのではと考える著者が、脱成長コミュニズムの課題や、加速主義の基本的な弱点、権威が衰える時それはもっと悪いものになるという指摘、トランプ大統領が国民に選ばれた意味、世界の終わりとはいかなるものか、破滅は免れない状況でいかに行動を起こすべきか、いろいろと考えさせてくれる示唆に富んだ1冊でした。2025/08/06
ざっく
13
あまりよくわからなかったなあ。貧富の差は拡大しているのかもしれないが、トップの伸びの恩恵を受けて、ボトムの生活も良くなっていることは間違いないと個人的には感じる。これも日本というガラパゴスの中の体感で、世界を見るとそうでもないのだろうか。確かに行き過ぎた資本主義を抑えるためにもう少し平等のエッセンスを入れる必要はあるのかもしれない。ただ、国家単位で脱成長を目指す、ということは安全保障上も考えにくい。脱成長、保守寄りの共産主義に最も近いのは現状だと日本かもしれないと感じた。2025/08/14
まゆまゆ
12
人類がこれまで歩んできた「進歩」は決して直線的ではなくあくまでも局所的であったと認識すべきであり、そのことによって進歩とうたわれるものに宿る複雑性や幾多の矛盾に気づくことができることを語る内容。資本主義をはじめ政治的な進歩の犠牲になった存在に気づいたとき、加速度的に発展しつつも着実に人類が自滅へ向かっていることに気づくだろう、と。2025/10/14




