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内容説明
福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。
目次
プロローグ
第1章 疑惑の救急車
第2章 集中報道の舞台裏
第3章 録音データの衝撃
第4章 創生しない地方
第5章 雑魚と呼ばれた議員たち
第6章 官民連携の落とし穴
第7章 自治の行方
エピローグ
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
174
これって「弱者(≒地方)が丸投げせざるを得ない構造」になってないですかね?2026/05/20
きみたけ
141
「過疎ビジネス」の言葉を初めて知りました。「過疎ビジネス」とは過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする企業による業態。福島県国見町で起きた、企業版ふるさと納税制度を悪用した「還流スキーム」に、河北新報社の若き記者が切り込んだ渾身のルポ。読んで一番の感想は、このような悪質な「横領」行為について、もっと世の中に知られるべきだと思いました。弱体した自治体を狙いとした企業は最も責められて当然として、地方自治体の丸投げ体質・迎合主義、立法の制度設計の甘さなど、それぞれに反省点が見られる案件でした。2026/09/16
skunk_c
140
河北新報の記者が福島県北部の平成大合併に参加しなかった自治体を舞台にして起こった、地方財政を食い物にするコンサル会社の暗躍を告発したルポ。「人の金で儲ける」体質のコンサル会社が、高齢化で地方議会も無選挙な自治体を手玉に取る様子、そして悪びれることなく逃げを打つ首長。おまけに公益通報に対し懲戒処分まで出す。全貌が完全に明らかになっているわけではない(特に贈収賄については不明)が、最後にコンサル側から「雑魚」と呼ばれた議会が百条委員会をつくり立ち向かっていく。国政にも言えるが、政治家は誰の方を向いているのか。2025/08/28
yasunon
102
「地方創生」の裏側で、公金がシステムとして略奪される構造を暴いたノンフィクション。福島県国見町の救急車導入に端を発する疑惑は、単なる一企業の悪事ではなく、日本の地方自治が抱える問題を浮き彫りにしている。最大の見苦しさは、責任を部下や外部へ転嫁し、保身に走る首長たちの姿。自治を放棄して、コンサルに丸投げした結果、地域は公金を吸い上げる格好の餌場と化してしまった。過疎化が加速する日本中で、こういった悲劇は繰り返されるだろう。無責任な人間が舵を握るくらいなら、いっそAIに委ねた方がまだ救いがあるのかもしれない。2026/05/03
ネギっ子gen
97
【超絶いいマネーロンダリング】過疎自治体を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れをする「限界役場」の実態を抉った書。惹句の「コンサル栄えて、国滅ぶ」に同感。著者は、河北新報編集部記者。<過疎自治体は国から投じられた補助金や交付金で延命を続ける。そこに目を付けた都会のコンサル企業が言葉巧みに群がってくる。官民連携の名の下に行政機能の外部委託が進められ、地方は自ら考ことを止める。やがて自治体行政はコンプライアンス意識が根底から崩壊した「限界役場」と化す>と。⇒2026/07/10




