内容説明
これは、日本各地に点在する集落で今も密かに行われている儀式を記録したものである。
第一の記録『瀧来集落』
東北では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。
第二の記録『高山集落』
四国では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星群
82
初読み作家さん。モキュメンタリーですね。背筋氏、戦慄ってあるけど、淡々と読み進めました。空から、人体の一部が降ってくるのは怖いっていうより悍ましい。そんな場面には遭遇したくないと思い、またその〝一部〟になってしまった人達はどんな最期だったんだろうと、そっちが気になってしまいます。まぁ、怖いっていえば、地理的に雨乞いが必要ない場所でされてたって指摘でしょうか。2026/02/26
yukaring
77
フィールドワークへ向かった2人の大学生。彼らのメモやスクラップから紐解く集落に伝わる儀式の記録。断片的な情報が繋がり現れるおぞましい真相。読者の想像力を試すような趣向が新しいモキュメンタリーホラー。東北の集落に伝わる儀式。この雨乞いの儀の後で必ず少女が失踪するのはなぜなのか?本来降るべきでないものが空から降る『ファフロツキーズ現象』を絡めて語られるのが面白い。また四国の集落に継承される神仏の声を聴く為の「オハチヒラキ」霊力を強制的に開花させるのに行われている事とは…。考察好きな人におすすめの因習村ホラー。2025/09/07
眠る山猫屋
69
それぞれのフィールドワークへ向かう恋人たち。そこから浮かび上がる失われた儀式の悍ましい真実。挟み込まれる多数の取材記事のスクラップに導かれるようにして真実の姿を現していく秘密。真実は悍ましいものだが、村人たちは皆さん善良だし、主人公たちもあまり危険に晒されたりしない。だから“怖さ”は薄い。肩透かし感は否めない。一歩向こう側へ踏み込めばクトゥルー神話みたいな雰囲気になるのにな。その分、読み易い。二人とも日常へ帰れてよかった( ╹▽╹ )。2025/09/07
ごみごみ
57
古くから伝わる奇妙な儀式を探る「現地報告」と「スクラップ」の断片的な情報が交互に収められ、「最終報告」での考察に繋がっていく、モキュメンタリーホラー。とにかく終始不気味さが漂う。個人的には、結婚したばかりの頃に夫の母が「数珠こ」(ズズッコと発音していたと思う)という集まりに参加していたのを思い出した。女性が何人か円になって座り、手を繋いで数珠を回しながら何かを唱えるという。どこで何のためにやっていたのか?聞いた気もするが記憶が定かではない。この作品に出てくる1つ目の儀式に似ていてゾワッとした。2025/08/10
キナコ
37
タイトル買いした一冊。東北の集落では雨乞いのあとに少女が消えてしまいと言う。神への捧げもののして⋯龍の角の意味や口伝でのみ伝えられる謎など背筋がぞわりとするホラー作品。皆のための儀式なんだろうが、昔ながらの人柱は酷いな。後半は後半で別の儀式の話。謎のオハチ様の正体とは。人工的な巫病って、生き残ったらラッキーくらいの確率で手術されるなんて人道に反するけど、そのおかげで防げた怪異もあるんだよなぁ。一冊に2つの集落を詰め込んでるとは思わなかったが、モキュメンタリーとしてほ良作。2025/10/01
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