日本人戦犯裁判とフランス - インドシナ・サイゴン裁判・東京裁判をめぐる攻防

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日本人戦犯裁判とフランス - インドシナ・サイゴン裁判・東京裁判をめぐる攻防

  • ISBN:9784766430356

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内容説明

裁く権限はどこにあるのか――

日仏の奇妙な「共存」の果てに、戦後の裁きは行われた。
日仏越の最新の資料を用いて、忘却された戦犯裁判の実態と、そこに表れる植民地主義の根深さに迫る。

東京裁判とBC級裁判では、「戦勝国」かつ「被害者」である連合国が、日本人による戦争犯罪の審議を行った。そのうちの一国がフランスであったが、第二次世界大戦下にドイツ占領下に置かれたフランスは、インドシナで駐留する日本と協力関係を築いていた。このような状況にあったフランスが、日本人戦犯裁判にどう関与していたのかほとんど知られていない。
本書では日仏共存した仏領インドシナ時代から、サイゴン裁判、東京裁判に至るまでの過程を克明に再現し、「未完の脱植民地化」を明らかにする。

目次

はじめに――日本人戦犯裁判を読み直す

第一章 第二次世界大戦期のインドシナ――日本とフランスの「共存」
はじめに
1 日本の仏印進駐とフランスの対応
2 インドシナのヴィシー化 
3 日仏の協力? おわりに

第二章 戦後インドシナをめぐる混乱と「清算」
はじめに
1 残留日本人という脅威
2 ヴィシー派植民地当局の責任追及
3 日本との共存に対する批判
4 ドゴール派弾圧とレジスタンス活動の不在
おわりに

第三章 サイゴン裁判で何が裁かれたのか
はじめに
1 裁判開廷への道
2 サイゴン裁判の概要
3 裁判の判決
4 裁判のその後――服役と恩赦
おわりに

第四章 東京裁判というアリーナ――連合国と法律家たちの思惑
はじめに
1 裁判開廷への道
2 訴因をめぐる攻防
3 フランスによる立証段階
4 判決をめぐる思惑 
おわりに

おわりに――植民地主義の根深さ


年表
参考文献
あとがき
索引

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