コマネチのために

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

コマネチのために

  • 著者名:チョ・ナムジュ【著】/すんみ【訳】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 筑摩書房(2025/07発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480832221

ファイル: /

内容説明

体操界の妖精コマネチに憧れる少女と、30代の日々を生きる私の物語。『82年生まれ、キム・ジヨン』著者初期作品。ファンサンボル青年文学賞受賞。

目次

これもまた、過ぎていく/残酷な冬/私は体操がしたいと言った/危うげながらも幸せな時間/高い所へのぼる人たち/お尻に押した赤いスタンプ/暗号のようにぽつぽつと/ネギを見てやさしく笑う人/月夜のステージ/あとがき/著者からのメッセージ/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

63
コマネチのためにと言うタイトルは、私の世代にはストライクです。タイトルから勝手にイメージしていた内容とは違いましたが、奥深く余韻を感じさてくれる物語でした。傍で見てるよりも当事者は、毎日毎日が必死なんだろうと感じます。それは、自分自身にも置き換えて考えられます。近い国韓国です、とてもよくわかる面と、微妙ながら大きく異なる面がよくわかりました。2025/12/25

おたま

59
コマネチに似た名前のコ・マニ。子供の頃観たコマネチの姿に憧れて、体操(エアロビクス)の教室や体操部のある高校を目指すものの、自分にはとてもその能力がないことを思い知り、挫折。そして36歳になって、突然会社を解雇され、またもや挫折。しかし、それでもなおコ・マニの生活は続いていく。母親のマニにかける思いも時に熱く、時に辛辣に。特にドラマチックに展開していくわけではないが、その小さな生活に、常に作者は寄り添うかのように描く。そこにほのかな光も感じる。後の『82年生まれ、キム・ジヨン』に繋がっていくようでもある。2025/10/30

Roko

33
マニはソウルの貧しい地域であるS洞に両親と三人で暮らしています。父は飲食店を経営しているけれど大した稼ぎはなく、母親は主婦。一人娘のマニは未婚の36歳、ずっと真面目に会社員をしてきて、気がついたら一家の大黒柱になっていました。貧しい地域に生まれ、育ち、そこで学んだことは「貧乏は遺伝する」だという、どうしていいのかわからないような状況なのです。就職は出来ても女性は出世できず、結婚か出産を機に退職するのが当たり前。がんばって36歳まで働いても出世するどころか、突然クビ!そんな運命でも、マニは生きていくのです。2025/09/29

りつこ

33
小学生の頃にオリンピックを見て夢中になった体操ごっこの熱が冷めずにコマネチになることを夢見る少女。 日々の暮らしで精いっぱいなのにその夢を後押ししたい母。 暴走する母に振り回されながらもその手を離さない父。 金儲けも立ち回りもうまくない3人家族はだまされたりいじめられたり失敗しながらも生きていく。「なんで仕事を探さないんだ?」と罵倒されても弱った時は休む。店がつぶれてもまた次の店を出す。騙されてもうまい話を聞いて夢を見る。死ぬまで生きる。ユーモアで味付けされた絶望と希望の物語だった。2025/08/17

ぽてち

32
2016年に出版されたチョ・ナムジュさんの2冊目の長篇小説。著者による要約は「失敗のあとを生き続ける人々の物語」だそうだ。タイトルにあるコマネチは、1970年代に活躍したルーマニアの体操選手。主人公のコ・マニ(名前がコマネチに似ている)は、36歳で10年勤めた会社をクビになり、親元に寄生している。実家はソウルでも5本の指に入る貧民街にあり、現在何度目かの再開発話が持ち上がっていた。フラッシュバックの手法で現在と過去が交互に描かれ、なかなかにつらい人生を歩んできたマニが痛い。この両親もどうなんだろうと思う。2025/08/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22699155
  • ご注意事項

最近チェックした商品