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内容説明
死別した、愛する人はどこにいってしまったのか。人間はその答えを求めて、死後の世界についてあれこれ考えを巡らせる。日本では、亡くなった子どもの行先として、独自の「賽の河原」が考えられた。著者は、10年以上にわたって、死者の口寄せなどで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた。本書は、「和製の地獄」とも言われる賽の河原を中心に、日本の供養を考えるものである。
目次
はじめに/賽の河原=和製の地獄/供養について考える/あの世とこの世/この世中心の世界/本書の構成/第1章 口寄せとは何か/1 「イタコ」の成立/近代以前の口寄せ/シャーマン日本代表/2 口寄せの実際/イタコの商売/口寄せには型がある/イタコになるには/イタコはシャーマンか/イタコの意識/3 なぜ口寄せは死者の言葉になるのか/口寄せの条件/真偽を超えて/イタコの現状/第2章 供養と賽の河原/1 供養とはなにか/仏典由来の「供養」/「供養」の民俗的用法/廻向という思想/2 「日本人のあの世観」とはなにか/あの世のイメージ/「成仏」という問題/3 人形供養/人以外に対する供養/人形供養/供養は死を与える/4 賽の河原の物語/地蔵と子ども/賽の河原の初出/「賽」とはなにか/唄にみる賽の河原/5 なぜ石を積むのか/近世の人口政策/善行としての石積み/封印としての石積み/生活宗教/第3章 津軽の地蔵と川倉賽の河原の祭り/1 津軽地方の地蔵/津軽には2種類の地蔵がある/地蔵を祀る/2 川倉賽の河原地蔵尊/川倉賽の河原への案内/大祭/『東奥日報』の記事より/3 供養か娯楽か/イタコの登場/イタコが消える/供養であり、娯楽である/第4章 あの世で成長する子ども/1 花嫁人形供養/花嫁人形供養の研究史/ムカサリ絵馬と巫者との関係/奉納の詳細/奉納数の変化/2 死者の成長/何歳までが「子ども」か/未完成霊/死者は成長する/卒業証書の事例から/3 死者を死者にする/わからないから、ありがたい/口寄せの型/葬儀の意味/4 変わる口寄せ/なぜ口寄せはつづくのか/変化の中で/第5章 生活の中の死者/1 仏壇を考える/仏壇と信仰/なぜ仏壇があるのか(その1)/なぜ仏壇があるのか(その2)/2 継続する絆/グリーフケアの観点から/グリーフの乗り越えモデル/継続する絆へ/手元供養/3 なぜ仏壇だけではだめなのか/位牌の意味/遺影/遺影をどこに置くのか/死者が近くにいること/4 個人の悲嘆を支える/天然のメモリーボックス/絆の変容/大きな供養と個別的供養/第6章 供養の現在/1 死者の居場所/口寄せの現場から/2 楽しい賽の河原へ/あとがき/注/読書案内/索引
感想・レビュー
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さとうしん
sk
まおまお