ちくま新書<br> 賽の河原 ――供養の宗教学

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ちくま新書
賽の河原 ――供養の宗教学

  • 著者名:村上晶【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/07発売)
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  • ISBN:9784480076984

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内容説明

死別した、愛する人はどこにいってしまったのか。人間はその答えを求めて、死後の世界についてあれこれ考えを巡らせる。日本では、亡くなった子どもの行先として、独自の「賽の河原」が考えられた。著者は、10年以上にわたって、死者の口寄せなどで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた。本書は、「和製の地獄」とも言われる賽の河原を中心に、日本の供養を考えるものである。

目次

はじめに/賽の河原=和製の地獄/供養について考える/あの世とこの世/この世中心の世界/本書の構成/第1章 口寄せとは何か/1 「イタコ」の成立/近代以前の口寄せ/シャーマン日本代表/2 口寄せの実際/イタコの商売/口寄せには型がある/イタコになるには/イタコはシャーマンか/イタコの意識/3 なぜ口寄せは死者の言葉になるのか/口寄せの条件/真偽を超えて/イタコの現状/第2章 供養と賽の河原/1 供養とはなにか/仏典由来の「供養」/「供養」の民俗的用法/廻向という思想/2 「日本人のあの世観」とはなにか/あの世のイメージ/「成仏」という問題/3 人形供養/人以外に対する供養/人形供養/供養は死を与える/4 賽の河原の物語/地蔵と子ども/賽の河原の初出/「賽」とはなにか/唄にみる賽の河原/5 なぜ石を積むのか/近世の人口政策/善行としての石積み/封印としての石積み/生活宗教/第3章 津軽の地蔵と川倉賽の河原の祭り/1 津軽地方の地蔵/津軽には2種類の地蔵がある/地蔵を祀る/2 川倉賽の河原地蔵尊/川倉賽の河原への案内/大祭/『東奥日報』の記事より/3 供養か娯楽か/イタコの登場/イタコが消える/供養であり、娯楽である/第4章 あの世で成長する子ども/1 花嫁人形供養/花嫁人形供養の研究史/ムカサリ絵馬と巫者との関係/奉納の詳細/奉納数の変化/2 死者の成長/何歳までが「子ども」か/未完成霊/死者は成長する/卒業証書の事例から/3 死者を死者にする/わからないから、ありがたい/口寄せの型/葬儀の意味/4 変わる口寄せ/なぜ口寄せはつづくのか/変化の中で/第5章 生活の中の死者/1 仏壇を考える/仏壇と信仰/なぜ仏壇があるのか(その1)/なぜ仏壇があるのか(その2)/2 継続する絆/グリーフケアの観点から/グリーフの乗り越えモデル/継続する絆へ/手元供養/3 なぜ仏壇だけではだめなのか/位牌の意味/遺影/遺影をどこに置くのか/死者が近くにいること/4 個人の悲嘆を支える/天然のメモリーボックス/絆の変容/大きな供養と個別的供養/第6章 供養の現在/1 死者の居場所/口寄せの現場から/2 楽しい賽の河原へ/あとがき/注/読書案内/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

15
イタコ、賽の河原、お地蔵さん、花嫁人形供養、仏壇等々近現代の日本の供養にまつわる諸相を宗教学の知見から読み解く。イタコ=シャーマン論争の無意味さ、そして現在ではイタコといえる人がいないという現実、人形供養は欧米での事例に着想を得た風習であるという意外な事実、地方や海外の奇妙な風習が面白おかしく紹介されることが偏見につながるということ、現代日本人の死者との距離感の変化など、興味深い論点が多く盛り込まれている。2025/07/13

sk

2
供養の宗教学2025/07/27

まおまお

2
おもしろかった。死者に託す思いが結局は文化的なものであることがわかって、現代は生活観の変化により死者への待遇もだいぶ違うことをみると、いろいろ思うところがでてきた2025/07/20

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