内容説明
読後、涙が止まらない。
路線図には載っていないその駅で、
二度と会えないはずの人が待っている――
千葉県内を走るローカル線、久留里線。その車内にはときどき、白黒の猫が乗っている。猫が降りるのは、路線図には載っていない「くるり駅」。誘われるように猫についていくと、改札を抜けた先にあるどこか懐かしい町に、もう二度と会えないはずの大切な人が待っていて……。初恋の人、最愛の母親、大好きな飼い主――悲しい別れから立ち直れずにいる主人公たちの心の再生を描く、連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
117
猫が導くさよならの一冊。舞台は千葉県のローカル線、久留里線。白黒タキシード模様の猫のくるりが哀しみから抜け出せない人たちを路線図には載っていない「くるり駅」に導いてくれるファンタジックで温かいストーリー。二度と会えない別れほどつらいものはないなと改めて思う。後悔がずっと心に居座り、孤独に心呑み込まれる。そんな時に大切な人に出会えたら…揺れる主人公たちの心がせつなかったな。中でも猫のミケコ視点のお話は一途で無償の愛に泣けた。ずっとずっと一緒にいられたらいいのにね。あぁ、さよならってなんて勇気がいるんだろう。2025/09/22
タイ子
80
不思議な場所<くるり駅>まで案内をしてくれる白黒猫。誰もが行けるわけではなく、心に大きな穴が開いたような寂しさを抱えた人が偶然か必然なのか引かれるように電車に乗ってしまう。そこに待っていたのは、懐かしい顔と声。もうね、そこから涙が止まらないわけですよ。特に小さい子は亡くなった方も、亡くした方も可哀そうで。でも、生きてる人の人生は続く、いや続けなければいけないんです。そして、この不思議な町は生者も死者も悔いなくさよならをするためにある。悲しみを抱えた久三子さんの焼く醤油団子が食べたいな。2025/11/01
BLANCA
76
「路線図には載ってないその駅で、二度と会えないはずの人が待っている…」。物語は、実在する千葉県の内房を走るJR久留里線を舞台に、千葉県出身の作家さんが書いた連作短編集。悲しみに押し潰された主人公が乗った久留里線で、白黒のタキシード猫「くるり」に導かれて降りた「くるり駅」。そこは人の気配がないとても静かな町。でも、会いたかった人が待っていた…。どの話も悲しいけれど、あの時ちゃんと言えなかった最期の「さよなら」を言える救いの町だった。子供の話は本当、切なく悲しい😭。猫のミケコと飼い主のお父さんの話も…😭 2026/04/22
みゆ
73
相次いでニャンを喪ったばかりの時に、この本の予約到着。供養と思って読みました。白黒猫に導かれ辿り着く、くるり駅。「さよなら」を言えなかった者が「さよなら」をするためにここはある。突然のお別れは受け入れ難い。いつもペア組んでた兄弟猫が突然の相方不在にニャアニャア激しく鳴いてます。呼んでも戻ってこないんだよ。この子もくるり駅でお別れできるといいのにな。そんなことを思いながら読了。2025/10/15
いたろう
72
まもなく、久留里線の久留里ー上総亀山間が廃線になるということで気になって、久留里線が舞台と思しき小説を手に取った。確かに舞台は久留里線だが、ファンタジー要素が入っている。5編の短編各編の主人公は、悩みを抱えたまま久留里線に乗り、白黒の猫に誘われるように、ある駅で降りる。その駅は久留里駅ならぬ、架空の「くるり駅」。そして彼らは、「くるり」の町で、亡くなった人に出会う。架空と言いながら、各編の扉には、君津、久留里、木更津、久留里道、久留里城の解説が付き、現実の町とリンクしているところは、やっぱり御当地小説か。2026/03/23
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