内容説明
これはなんの記憶? 高一の雨宮さつきは、自分の記憶にない映像が頭に流れる奇妙な既視感に悩んでいた。ある日、神社で目眩に襲われると、なんと戦時中の広島で路面電車の車掌として生きる前世の姿・ハナになっていた。不慣れな勤務中、乗客の剛に助けられ、彼の優しさに心惹かれていくが、ハナの幼馴染・楓も剛に想いを寄せていることを知る。広島に原爆が投下される1945年8月6日が近づく中、さつきは大切な人たちを助けようと奔走する。人を想いやる気持ちが起こす奇跡とは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
灰音
6
令和に生きるさつきが、前世の記憶にタイムスリップして、ハナとして戦時中を生きる 作者さんが広島の方だから、ちゃんと原爆を書いてくれててめちゃくちゃよかった2025/08/05
美月
3
1945年(昭和20年)8月6日(月)日本時間午前8時15分に原子爆弾が投下された。 日本人死者16万人と多くの大切な命を失ってしまった日。 終戦してから80年という時が経ち、 こういった過去があって、現在があることを忘れてはいけない。人が傷つけ合うのではなくて、みんながぽかぽかあたたかい気持ちでこれから生きていけたらいいなと改めて思いました。2025/10/22
みゅう
2
戦争の恐ろしさ、今の世の中がどれだけ平和なのかを思い知らされました。戦争を決して過去の出来事と思わないでおきたいと思いました。
MoriTomo
2
心優しい主人公が戦時中の広島での前世の記憶に触れ、過酷な時代で芽生える恋や葛藤を繊細に描いた物語。 避けられない運命に胸を締め付けられつつも、前を向こうとする姿が印象的で、夏の記憶と奇跡が心に残りました。2025/07/12
フクロウ
1
タイムスリップなのか前世の記憶なのかや、死因が特攻隊か広島原爆かやなど、細かな違いはあるが、概ね「現代の女子高生が戦中にタイムスリップして青年に恋をする」という主筋でみれば、『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』と似たテイストである。ただ、『あの花』もそうであるが、ページ数が少なく、戦中の描写も希薄なため、カタルシスに必要な積み上げが不十分に感じた。とはいえ、あの神社のおばあちゃんとのやりとりだったり、思わず涙が出てしまうのだが。2025/08/04
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