内容説明
全米図書賞受賞作家の最新作!
台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活
「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」
ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。
昭和十三年築の日式建築・四維街一号には、
四人の大学院生と酒呑み大家が暮らす。
一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、
二階は、苦学生の家家とシャイな乃云。
互いに秘めた想いを抱え食卓につく住人たちは、
あるとき『臺灣料理之栞』という古書を発掘する。
五人の孤独が手繰りよせた〈ある家族の苦い歴史〉とは―――
◆池澤春菜さん満腹◆
「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
181
台中に残る戦前に建てられた日本風木造レトロ建築である、女性専用シェアハウス・四維街一号。大家+入居者4人による賑やかな共同生活。古書「台湾料理之栞」による料理の再現や台湾の文化·風習ネタを絡めつつ、5人それぞれの観点から描かれる、ほのぼのとした展開が、終章で童謡「ももたろう」に涙する感動の物語へと昇華します。2025/10/26
pohcho
62
古い日本式建築のシェアハウスに暮らす4人の大学院生と大家さんの日々。食堂で一緒にごはんを食べる場面が楽しいし、台湾の民族や文化の話もとても興味深かった。BL小説家の知衣の口調がちょっと成瀬みたいなのも楽しい。同性同士の恋愛話もあるが、どちらかというと友情に近い感じでほほえましく読める。それでほのぼのとした話だと思っていたら、最後の大家さんの話が切なすぎた(台湾で同性婚が認められているのは初めて知った)2025/11/18
アイシャ
39
古い日本式家屋でシェアハウスをしている女性たち、4人の大学院生と大家さん。それぞれに抱えているものがあって、興味深かった。圧巻だったのが最後に語られる大家さんの話。同じ年の従姉妹と 祖母の元でこの建物で育ち、従姉妹との愛憎交じる激しい確執。そこには台湾という国の歴史も見えて来る。従姉妹の持つ深く悲しい秘密に辿り着くまでの話だった。出て来るお料理が美味しそうなのと、同性特に女性同士の恋愛が当然のように語られていているのが印象的だった2025/11/15
kum
21
台中の四維街にある日本統治時代の建物をシェアハウスとして暮らす5人の日常。イメージとしてはお姉さん組の2人、妹組の2人、そして大家。ともに暮らす日々の中で近づいたり離れたり一緒にごはんを食べたり食べなかったりしながら、みんな違う形の思いやりで繋がってる。妹組が甘いものを用意して姉2人の帰りをハラハラしながら待っている場面が特に好き。この建物がなぜシェアハウスになったかの背景を読んでいると、フィクションなのに実際のことのように思える。台中に行ったら四維街を訪ねてこの5人をまた思い出そうと思った。2025/09/11
練りようかん
16
台湾の学生シェアハウスが舞台。はじめに間取り図がのっており二階建てのコの字型なのが面白い。出身地も性格も異なる人たちが、友達やパートナーへと関係を結ぶ二年間を描くのだが、欠かせないのは食。特に蟹だくさんの焼酒鳥という鍋が美味しそうだった!クローゼットに眠っていた明治時代のレシピ本を読み解こうと頑張り、再現と解釈の工夫のなかに料理の歴史と台湾の歴史が交錯して重層的だ。四人の章を経て、大家の章に入ると種明かしにビックリ。台湾は同性婚を認める法律があり、縦糸にも横糸にもなっていたと気付かされる構成が良かった。2026/01/09




