内容説明
今だからこそ語れる子ども時代、デビュー当時、そして父の死――。東京の「街」に重なる記憶をめぐる自伝的エッセイ集。書き下ろし「二度と行けない場所たちへ」を新たに収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
桜もち 太郎
23
題名に「ほぼ自伝」とあったが、自伝というよりほぼエッセイだった。関わってきた人、動物、土地、つまり環境がいかに自分の人生の心の地図になったかがリズムよく書かれていた。自分自身を発達障害といい、人と接することは大の苦手。しかし彼女の周りには人が寄ってくる。それは小説家だからか、お金があるからなのか、人柄だからと信じたい。「みんな若くて、勢いがあって、これからで」そんな懐かしい時代が誰にでもあって。彼女が人生を変えた書は菊池成孔の「スペインの宇宙食」という本らしい。自分もそんな一冊に巡り合いたいな。2026/01/01
たっきー
10
単行本は既読。文庫には新たに書き下ろしエッセイを収録。ばななさんのこれまでの人生について。5歳から自分は作家で、それを社会に認めてもらうためにデビューしたというのがすごいけど、ばななさんらしい気もする。2025/08/30
キヌモ
8
吉本ばななさんのエッセイは、何か心もとなくなったときふといつも手にして読んでいる気がします。読んでいると、こう言った日常の一コマ一コマが愛おしいと思える時が必ず来るのだと確信できる気がするのです。特にこのエッセイは、住んでいた街と吉本さんの話なので、街の名前を知っていたりするので、そこに自分も居たような錯覚を覚えたりして、共有でき、懐かしくなったりして、楽しみました。ありがとう。2025/09/14
あやめ
6
昔はこの著者大好きで、心救われたり響く言葉も多かったのだけど、いつからか読んでいても、なんだか「ふーん」てしか思えなくなってしまった。自分の感覚も変わってしまったのだろうか?自分の意に沿わない相手には、自分は悪くない、相手がひどいってスタンスが受け付けられなかった。2025/08/17
いのふみ
3
その〈場所〉で暮らし、傷つき、恢復し、強くなったんだなと、ひとの話を聞きながら(読んでいるというより、まさに「聞いている」感覚)、ふっと勇気や元気がでてくる。そのうちに、自分も街ごとに捨てておけないいろいろな思い出があったなと、驚いたり涙したりしそうになるエッセイ集。自身を発達障害と仰っているが、生きるのが精一杯らしく、ライトな言葉の背後から苛立ちや悲しみがじんわり伝わってくる。そういえば、確かにこれほどの文名の人なのに文壇での交友関係が見えにくかったり、選考委員をやったりってあんまり聞かない。2026/07/31
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