内容説明
公教育を問う衝撃のルポ
『ごんぎつね』の葬儀では、死体を煮ていた!? 物語を読み解けない子どもが増えている。公教育で子どもたちは言葉を取り戻せるのか。
単行本 2022年7月 文藝春秋刊
文庫版 2025年7月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
31
話題になった”「ごんぎつね」を読めない子供たち”というコラムが伝える国語力低下の懸念。最初はにわかに信じがたい状況に思えましたが次第に危機感を抱くようになった。小学生とはいえ、亡き母を鍋で煮ている光景ですと真面目に議論する子供たち。そこには読解力だけでなく想像力や感性といったものまで欠けている現状があった。その原因は家庭環境の他にも現代の複雑な社会、例えばSNSや学習指導要領に追加されたSDGsや多様性といった新しい概念まで様々だ。問題は根深く教育環境の改善が急がれる。一人でも多くの人に読んでほしい1冊。2025/07/23
がんもどき
11
今の日本の子供の言葉がいかに貧しくなっているかが描かれたルポ。個人的には家庭環境によるところが大きいんではないかと思う。本の終わりに豊かな国語教育をしているところはこんなにいい教育をしているんですよという感じに締めくくっているが、良いところがそう言う教育をしていても、国語力の底辺にいる子供をどうにかしなければあまり意味がないように思う。2025/07/29
てくてく
7
「ごんぎつね」の葬儀シーンが理解できない子どもたちから始まって、コミュニケーションを下支えする国語力、言語化およびその理解力の欠如に由来するトラブルや問題、明確な理由が本人すらわからない不登校、ゲーム依存とそれによる言葉への影響など、様々な問題を取り上げた上で、国語力育成の最前線を紹介することで、国語力回復のために何が必要かを示唆する一冊。日本女子大附属中高の文庫本一冊を一学期間かけて精読する取り組みが魅力的だった。2025/07/12
misokko
5
文中に文科省の定義の国語力は「考える」「感じる」「想像する」「表す」とあった。私は「表す」を意識的にしてこなかった。言っても無駄、わかってもらえない。が主な理由。子育て中もそうだった。彼らが人間関係につまづきを感じているらしく、もしかしたらその一端は自分のコミュニケーションの撮り方にあったのかもしれないと思う。人間深く思考をする時には「自分の言葉が必要」だと思っている。高等教育ほど「母国語」で学ぶことが大切だが今国内では「英語で」が流行り。佐々涼子さんのダブルリミテッドも重なり暗澹たる気持ちになる。2025/08/08
チューリップ
3
国語力の低下。ごんぎつねについては、読解力というより経験不足という気もした。ただ、単語や乱暴な言葉での会話ですれ違う等、共感できる話も多い。もう少し、読み進めたい。2025/07/26
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