内容説明
ふたりのゴッホを支えた女性と知られざるファミリー・ヒストリー
フィンセント・ファン・ゴッホの義妹で、弟テオの妻ヨー。兄弟が相次いで亡くなった後、彼女は膨大なゴッホ作品を受け継ぎ、作品の普及に生涯を捧げた。世界各地での展覧会の開催、有力な画商や顧客に対する戦略的販売など男性優位の美術市場を切り拓いて成功を収め、さらにゴッホ書簡集の出版にも尽力した。ヨーの功績によって、ゴッホは死後に「同世代でもっとも優れた芸術家の一人」という評価を確立できたのだ。美術界を揺るがす意欲と先見性を持ち合わせ、さらにオランダ社会民主労働党員として政治活動にも関わったヨーの類いまれなる人生を描く。未公開の日記、家族の手紙、記念の絵画など貴重な資料と図版130点以上を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
79
労作。ゴッホの弟テオと結婚した若き女性ヨーが義兄と夫を立て続けに失った後画商として自立し、生前は無名だったゴッホに世界的な名声をもたらすまでを描くノンフィクション。19世紀のオランダ女性の成長の物語としても貴重だ。幼い息子フィンセントを育てながら、再婚相手の死にもめげずヨーはゴッホの書簡集を出版し、作品を海外に売却し展覧会を開催する。ゴッホの名声は高まり、ヨーの死後から50年近く経った1973年に国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館がアムステルダムにオープンした。現実をしっかりと見据えながらゴッホの→2025/11/28
Toshi
26
東京都美術館で開催中の「ゴッホ展・家族がつないだ画家の夢」の予習として。ゴッホを愛し、その作品を世に出そうとした弟テオ、しかし彼もゴッホの没後僅か半年でこの世を去る。このテオの想いを次いで、ゴッホを世に知らしめたのは、テオの妻ヨーであった。「テオの心の明かりの中で花開いたフィンセントのパレットに光をあて、後世のために守り抜いた」と、その功績はヨーへの弔文に見事に表現されている。本書は伝記だが、書簡や日記など膨大な資料を基にした570頁に及ぶ研究書と言っても良い内容で、ややマニア向けかもしれない。2025/10/06
なおた
6
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの弟、テオについては注目したことはあったけれど、その妻、ヨーについては、これまで「ノーマーク」だったので、今回の本で、はじめて知るこっとが多かったです。2025/10/22
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