内容説明
ふたりのゴッホを支えた女性と知られざるファミリー・ヒストリー
フィンセント・ファン・ゴッホの義妹で、弟テオの妻ヨー。兄弟が相次いで亡くなった後、彼女は膨大なゴッホ作品を受け継ぎ、作品の普及に生涯を捧げた。世界各地での展覧会の開催、有力な画商や顧客に対する戦略的販売など男性優位の美術市場を切り拓いて成功を収め、さらにゴッホ書簡集の出版にも尽力した。ヨーの功績によって、ゴッホは死後に「同世代でもっとも優れた芸術家の一人」という評価を確立できたのだ。美術界を揺るがす意欲と先見性を持ち合わせ、さらにオランダ社会民主労働党員として政治活動にも関わったヨーの類いまれなる人生を描く。未公開の日記、家族の手紙、記念の絵画など貴重な資料と図版130点以上を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
132
画家である兄フィンセントの絵を画商の弟テオが世界的にしたと思われているゴッホ兄弟だが、実際は弟の妻ヨーがマネジメントとプロデュース一切を仕切っていた。結婚2年足らずで夫を失ったシングルマザーが膨大な義兄の作品を受け継ぎ、海千山千の美術関係者と渡り合いながら展覧会を開いてゴッホの名を高め、巧みに売り広める一方で兄弟の書簡集編纂まで手がけたのだから。アムステルダムで見たゴッホ美術館の壮観も、彼女なしにはなかったのは美術史上の奇跡だ。女性が侮られていた当時でも、社会主義運動に挺身した強さ故かと感じ入ってしまう。2026/02/22
kaoru
82
労作。ゴッホの弟テオと結婚した若き女性ヨーが義兄と夫を立て続けに失った後画商として自立し、生前は無名だったゴッホに世界的な名声をもたらすまでを描くノンフィクション。19世紀のオランダ女性の成長の物語としても貴重だ。幼い息子フィンセントを育てながら、再婚相手の死にもめげずヨーはゴッホの書簡集を出版し、作品を海外に売却し展覧会を開催する。ゴッホの名声は高まり、ヨーの死後から50年近く経った1973年に国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館がアムステルダムにオープンした。現実をしっかりと見据えながらゴッホの→2025/11/28
のんぴ
40
ゴッホの作品を使命感を持って世界中に広めた、弟テオの妻ヨー。膨大な資料や手紙からヨーの功績、思想的背景、テオやゴッホ、息子や孫への献身的な愛をつまびらかにする。狂人的な才能の陰にはこのような愛に溢れつつ、かつ実務的感覚のあるサポーターが必要。ヨーありがとう。アムスのファン・ゴッホ美術館行ってみたい。2026/05/13
ぐうぐう
37
才能は必ずしも評価されるわけではない。生前のフィンセント・ファン・ゴッホが不遇だったことは有名だ。そんな兄を献身的に支えた弟・テオの存在も世には知られている。しかし、テオの妻であるヨーこそが、ゴッホを後世に伝え、絵画史に渾然と輝く絶対的な評価を確立するに至る最大の功労者であったことは知られていない。本書は、そんなヨーの知られざる献身の人生を詳細に追った評伝である。2年に満たない短い結婚生活であったはずなのに、テオの遺志を継いでフィンセントの絵を守り、(つづく)2026/03/17
Toshi
30
東京都美術館で開催中の「ゴッホ展・家族がつないだ画家の夢」の予習として。ゴッホを愛し、その作品を世に出そうとした弟テオ、しかし彼もゴッホの没後僅か半年でこの世を去る。このテオの想いを次いで、ゴッホを世に知らしめたのは、テオの妻ヨーであった。「テオの心の明かりの中で花開いたフィンセントのパレットに光をあて、後世のために守り抜いた」と、その功績はヨーへの弔文に見事に表現されている。本書は伝記だが、書簡や日記など膨大な資料を基にした570頁に及ぶ研究書と言っても良い内容で、ややマニア向けかもしれない。2025/10/06
-
- 電子書籍
- ハワイ ランキング&マル得テクニック!…
-
- 電子書籍
- 小悪魔教師サイコ【タテヨミ】第48話 …
-
- 電子書籍
- シたら最後 ~恋愛副作用~(分冊版) …
-
- 電子書籍
- ゼロから学ぶ電子回路
-
- 電子書籍
- EAT&RUN - 100マイルを走る…




