内容説明
藩で一番の臆病者が暗殺を命じられ……
「何度、泣いたことか。何度、笑ったことか。
生活に疲れた時、ふと気づくとこの本を手に取っている」──島内景二
豪雨で川止めとなった巨勢川の土手に呆然と佇む若侍。
藩で一番の臆病者・伊東七十郎が命じられたのは家老の暗殺。
雨が止み、川明けになれば、勝ち目のない決闘に挑む運命にある七十郎は、
怪しげな宿で、いわくありげな同宿者たちに出会う。
個性の強すぎる面々に戸惑いながらも、やがてそれはかけがえのない日々となるのだった──。
「おじいちゃんがよく言うのです。
日が落ちてあたりが暗くなっても、川面だけが白く輝いているのを見ると、元気になれる。
なんにもいいことがなくっても、ひとの心には光が残っていると思えるからって」(本文より)
人の心を震わせる名手による珠玉の一冊。
単行本 2011年1月 双葉社刊
文庫版 2014年2月 双葉文庫刊
文庫版 2025年7月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
97
葉室さんの作品を徐々に読んでいこうと思い新装版ということで手にとりました。藩で一番の臆病者と揶揄されている若い侍が主人公です。その主人公が暗殺を命じられますが、待っているところ川止めで何日も待っています。そこ待っている間に怪しい宿で様々な人物に出会います。その出会いから命じられた仕事を何とかやり通しますまでをうまく描かれています。国文学者の島内景二さんが解説でかなり誉めておられます。人のつながりがいい感じでした。2025/08/04
coldsurgeon
8
生真面目で、臆病者として世間に知られる若侍が、刺客の密命を受けて旅立つが、長雨のため、川止めをくらうところから始まる。武芸も秀でいるわけではないが、同宿となった怪しげなな一団と、様々な縁で親しくなる様子は、楽しい。友とは、生きる勇気を、前に足を踏み出す勇気を、与えあう仲なのだと、気づかせてくれる。さすが葉室麟、いい時代小説だ。2025/09/10
yoko
2
人間の尊厳の大切さを教えられました。 2025/07/27
あんこ
1
臆病者で武芸も下手という、葉室作品には珍しいタイプの主人公が様々な経験を通じて、同宿者との絆を深め、生きる上で大事なことを学んでいく。 ユーモアで軽快だけれども、大事な要素がたくさん詰め込まれていて、さすがでした。七十郎のその後も気になる。2026/01/07




