内容説明
人は戦時下で、どう生きようとしたのか――。
「ヘルダイバーズ」と呼ばれた真珠湾攻撃隊の青春。
アフリカを攻撃した「特殊潜航艇」日本兵の最期。
「空母赤城」整備兵が語るミッドウェイ海戦とその後。
101歳の元満州国官僚が死の直前に綴った最後の「極秘計画」。
回天が配備された八丈島の疎開船「東光丸」の悲劇。
原爆に奪われた「元タカラジェンヌ」園井恵子の希望。
国家に背いて全市民の「原爆疎開」を決断した新潟県知事の覚悟。
「あの戦争」と「いま」をつなぐ7つの物語。
目次
第一章 真珠湾の空
第二章 アフリカを攻撃した日本人
第三章 ミッドウェイの記憶
第四章 一〇一歳からの手紙
I 満州事変の夜
II 傀儡国家の風景
III 建国大学の友情
IV 満州国総務庁の心臓部
V 最後の秘密
第五章 東光丸の悲劇
第六章 園井恵子の青春
第七章 原爆疎開
あとがき 「光源」が失われたとき、私たちは何を語れるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
35
真珠湾攻撃の急降下爆撃機の操縦士、アフリカ・マダガスカル島での特殊潜航艇攻撃、ミッドウェー海戦に参加した空母「赤城」の乗組員、満洲建国大学の第1期生として満洲総務庁に勤務した人物の戦後の驚くべき秘密、八丈島からの疎開船「東光丸」の沈没、女優・園井恵子さんの被爆死、そして新潟市の原爆疎開――。いずれも広く知られていない戦中の秘話を、当時を知る高齢の体験者へのインタビューなどを通じて掘り起こした労作。どのエピソードも、現場にいた人ならではの迫力と臨場感に満ちており、圧倒的な読み応えがあり。2025/11/10
漆虎太郎
20
結果しか知らされていない日本人の敗戦の歴史。本当はそこに至る過程でどんなことが検討され何故それが選択されたのかを分析し教訓にすべきなのに、私たちは過程にはずっと蓋をしたままここまで来てしまった。そして右も左も後付けの物語化で事実のようなフィクションを真実だと主張する。戦後は左が、近年は極右が声高々だ。事象の中にいた個人が実際に何を見て、何を行い、どう感じたか、その事実をきちんと検証・継承する重要性を問う作者の本作には胸が熱くなった。知らないままでいいはずがない。声の大きな人の真実はほとんどが嘘だから。2025/10/06
どら猫さとっち
18
今年は戦後80年を迎える節目の年。それでも、今も語られないものがある。真珠湾攻撃で、ミッドウェイで、東光丸で、広島の原爆投下で、新潟市で原爆疎開で…。私たちの知らないドラマがあった。あの戦争で体験を、丹念な取材で描き出すノンフィクション。本当の戦争の話というのは、私たちの知らないところで、声高に語ることではない。静かに、確かに語ることであるのではないか。そう気づかされる。2025/07/31
フンフン
9
戦争経験者の証言はもう出て来ないだろう。100歳以上の高齢者が、これまで秘密にしてきたことを打ち明ける。マダガスカル攻撃なんて、知らなかったね。原爆疎開も知らなかった。2025/09/13
spike
8
著者の出世作にして代表作「五色の虹」は読んだ時にすごく感銘を受けた。同じ著者とは気づかずにこの本を読み始めたのだが、その気骨に満ちた文体は変わらず。これぞルポルタージュとも言うべき一冊。敗戦までの昭和史の知られざるエピソードや人物の数々を丹念に描き出していくのに感動。横浜出身者として、最後のエピソードの終盤にはグッとくる。2025/08/13
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