内容説明
「いつから『週刊春潮』はカルト教団のパンフレットに成り下がった?」
――「週刊春潮」副編集長の志賀倫成は、旧友の医師・伊達允彦から問い詰められていた。コロナウィルスによる緊急事態宣言下、後手後手に回る医療行為に従事し、いたずらに命を奪われていく患者たちに日々悔しい思いで接している伊達にとって、メディアによる不安を煽るような報道、特にワクチンの効果に疑問を呈し、陰謀論すらふりまく反ワクチン的な報道は、決して許せるものではなかったのだ。
出版人としての良識と雑誌を売るための煽情的商法のはざまで志賀の心が揺れるなか、伊達の勤務する病院を訪れ、ワクチン接種の妨害活動を始めた反ワクチン団体の代表が、院内で死体となって発見される! 複雑な心情を抱えたまま、志賀は事件の真相を探るべく、取材を開始するのだが……
コロナウィルスの流行により疲弊しきった異常な日常に起こった歪んだ殺人事件の真相は果たして――? ベストセラー作家・中山七里が描き出す医療サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
247
中山 七里は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、新型コロナウィルスワクチン社会派ミステリ、どんでん返し少なめ、もうかなり過去の出来事になりつつあります。http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=75532025/08/15
いつでも母さん
156
友人関係の男たちの苦悩。一人は週刊誌の副編集長・志賀、もう一人はコロナ禍で奮闘する医師・伊達。そう言えば陰謀論もあったなぁとあの頃を思い出した。オカシナ団体の首謀者が殺された事件から、色んな思惑が浮かび上がる・・ワクチン接種については、新たな感染症の度に混乱するのだろうな。それぞれの正義、扇動の恐ろしさが肝なのだろうが、犯人の背景が見えちゃう結末でこれは少ししんどい気がした。他の方のレビューで既読の『夜がどれほど暗くても』の志賀さんだったと気付いた次第(汗)2025/07/29
モルク
132
新型コロナウィルスが拡大し、緊急事態宣言、学校は休校、商業スポーツ施設などの休業、飲食店の営業自粛、リモートワーク、三密と行動が制限されていっても医療は逼迫し医療従事者の負担は増えていった。そんな中政府の肝いりで急がれたワクチン接種。しかしワクチン反対派の猛烈な抗議、それを焚き付けるマスコミ。カルトと結び付いた反対派の暴走そして殺人事件が…「夜がどんなに暗くても」のその後。副編集長志賀や宮藤、葛城両刑事のそれぞれの立場での葛藤が印象的。喉元を過ぎ随分前に感じるコロナ騒動、だけどまだ終わってはいない。2025/10/19
hirokun
122
★3 コロナで大変だった当時を思い起こさせてくれる作品。人の記憶は良くも悪くも薄れていくもの。過去の経験を活かしていく対策が適切に打たれているだろうか?作品としては読み易い文章で一気読みできるエンタメ小説。2025/07/25
いたろう
87
週刊春潮副編集長・志賀倫成、「夜がどれほど暗くても」の続編。コロナ禍の中、週刊春潮は、反ワクチンの記事で、販売増を狙う。折しも、反ワクチンを主張するカルト的な集団が、勢力を増し、医療の現場に乱入、その過程で、殺人事件が起こる。今回も捜査に当たるのは、桐島班の宮藤刑事と葛城刑事。宮藤刑事の実兄で、「スタート!」で助監督だった宮藤監督の名前が出てきたり、葛城刑事の恋人、円の祖母の元判事、静おばあちゃんの話が出てきたりで、思わずニヤリ。週刊春潮・志賀副編集長&宮藤・葛城刑事シリーズとして、更なる続編が読みたい。2025/10/17




