内容説明
イルミネーションが輝くサーカステントにキッチンカー、お腹がぐうとなるいい匂い……ここは期間限定で現れる幻のビストロつくし。猫を思わせるギャルソンとシロクマのようなシェフが抜群の料理で迎えてくれる。つくしが赴くのはきまって芸術のある場所だ。ピアノが聴こえる野外劇場、絵画が並ぶマルシェ、映画が上映される砂浜――どうやらつくしの二人には、探しているものがあるようで……。弱った心と体をふっくら満たす物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
137
『心が満ち、お腹も満ちたら、それは世界で一番おいしい料理だと思うんです』。そんな言葉を体現させるかのように提供される『おいしい料理』の数々。そんな料理が多々登場するこの作品。そこには、“起点・きっかけもの” × “食” × “芸術”の総合体で読者を魅せる物語が描かれていました。豊富な”食”の描写にお腹が鳴りそうにもなるこの作品。さまざまな『芸術』に少しずつ触れることのできるこの作品。非常に興味深い内容の数々にワクワクさせられる一方で、あまりに盛り沢山なその内容に少しお腹いっぱいになってもしまう作品でした。2026/05/17
荒川叶
42
人生には舞台が変わる機会が数回ある。 変化が起きた時、人はどう対応するのか。嬉しい事や悲しい事、どんな機会が訪れるかは分からない。 でも素敵な料理と芸術、日々の出会いが私たちの日常を支え、変化を受け入れる手助けをしてくれる。 2025/08/14
よっち
30
小さなサーカステントにキッチンカーで、素敵な芸術とおいしい料理を提供する幻のビストロ「つくし」。弱った人たちの心と体を満たしてくれる連作短編集。恩人の翁を探している猫を思わせるギャルソンとシロクマのようなコックのコンビが美味しそうな食事と共に迎える、コストの兼ね合いで衝突したジュエリーデザイナー、恋人にプロポーズする勇気を持てない男性、妻がそっけなくなった理由をなかなか聞けない夫たち。移動するごとに新たなアートも絡めながらの夢のようなひと時が、新しい気付きへと繋がってゆくとても優しくて素敵な物語でしたね。2025/07/03
和尚
26
似ていないようで芯の部分は似ている、そんな二人の兄弟が営むキッチンカー、ビストロつくし。ある人を探し求め移動を重ねる二人と、そんなビストロに訪れるお客さん達の物語。 章ごとに、少しずつ時間の流れとリンクが感じられて、食と芸術と、好きと優しさを味わえる文章でよかったです。2025/07/12
えみちゃん
18
大好きな冬森灯さんの最新刊は期間限定で現れる「ビストロつくし」が舞台となるのですがまず舞台設定が素晴らしい。イルミネーションが輝くサーカスのテント!そのなかにはヨーロッパアンティークの家具にシャンデリア‼幻のビストロを切り盛りするのはシロクマを思わせるシェフ・有悟(ゆうご)と猫を思わせるギャルソン・颯真(そうま)のふたり(兄弟)。恩人であるマダムの訃報を聞き彼女との約束を果たすべく翁の行方を探すことになるのですが・・。翁の支援を受けた《かぐやびと》はたくさんいるのですが誰ひとりとしてその正体を知るものは2025/07/13
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