内容説明
歌人、岡野大嗣の待望の第3歌集です。収録歌は300首を超えますが、ボリュームを感じるよりも、読後感は、自分だけの名曲にふれたような高揚感に満ちています。
収録歌より5首
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音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水
しっぽだけぶれてるphotoのそうやってあなたに犬がそばにいた夏
残念ながら次が最後の曲ですと残念をみんなで抱きしめる
きみが好きだったシーンを語るのを映画の続きみたいにみてる
ふたりなのにWeって感じがしない夜に静けさだけがきらめいている
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【著者プロフィール】
岡野大嗣(おかの・だいじ)
1980年大阪府生まれ。2014年に第一歌集『サイレンと犀』(書肆侃侃房)、2019年に第二歌集『たやすみなさい』(書肆侃侃房)を刊行。2018年木下龍也との共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』(小社)、2019年に谷川俊太郎、木下龍也との共著『今日は誰にも愛されたかった』(小社)を刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
碧緑(あおみどり)
25
木下龍也さんの歌集で知られているナナロク社からの出版。木下さんの「オールアラウンドユー」と同じサイズ感だが、フォントが小さく1ページに3首程度入っているので読みごたえがある。パートナーとの関係が上手くいってる感じの日常生活が描かれており、幸せいっぱいの短歌が並ぶ。もちろんいい歌が多いが、前作に比べて流れがやや単調でもある。イラストもなく短歌のみの直球勝負なら、新しい分野に挑戦してほしかったかな?それは次作に期待しつつ、今作ではハッピーな時間をもらって、ありがとう。2023/04/09
ayumii
20
一行の言葉に込められている情景や気持ちは様々で、ページをめくるたびに新しい発見がある。さらさらと文字を追ってきて最後まで読んだ今は、晴れやかな気持ち。2024/11/23
水色系
19
[つらいね、のいいねをつける これしきのことで救った気になって消す][音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水] ささやかなやさしさ。切なさ。日常の絶望感。そういう色々がつまっている。岡野さんの短歌を読むと、いつもandymoriを聴きたくなる。2022/01/22
ちぇけら
18
行かなくていいやと言った対バンに行ったひとらの熱いツイート。ライブが終わった夜、ツアーTシャツに滲んだ汗は、いつまでも冷めなかった。ドラムから始まるイントロ、それを追うように弾かれるベースライン、ギターと同時に飛び込んでくる歌声、ライブが終わっても、音楽はいつまでも耳の奥で鳴り止まなくて、国道沿いを歩くぼくがミュージック・ビデオの主人公みたいに思えた。ライブの高揚感と、それが過去になってしまったことの寂寥感が入り混じった春の夜。すべてのrock 'n' rollを愛するひとに向けた31音のラブ・レターだ。2022/04/17
柚木あんづ🍉
12
7月頭から続けて読んだ岡野大嗣ワールド「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」「音楽」。音楽みたいな言葉から情景を考えるのが楽しかった。お気に入りは〈ひとりだから話さず歩いている夜に音楽みたいだよ足音はp.108〉。やるせなくて疲れている夜に聞く、エモい曲を想像してみたり。〈音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水p.38〉や〈海にまであなたは本を連れてきて海をながめるように愛するp.68〉も好き。ここ最近歌集全然手にとってなかったけど、短歌の楽しさをしみじみ感じた。装丁も良い。2023/07/07
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