内容説明
幻の書の新発見か、それとも偽書か。高校生のぼくは、うさんくさい男と〈謎の書〉の存在を追う。その名は、『皆のあらばしり』。探求は真と嘘の入れ子を孕み、歴史をさかのぼり、コンゲームの様相を呈しつつ、ついに世界の深奥にある〈ほんまもん〉に辿りつくが……。大逆転の結末に甘美な香気さえ漂う表題作のほか、「ニセ偽書事始」「『皆のあらばしり』の成立について」を収録した傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
特盛
23
評価3.3/5。江戸時代の幻の書がとある商家に伝わることが判明する。歴史部の高校生と謎の男がタッグを組んで追う。男は博覧強記の不思議な存在だ。二人のきっかけはひょんなことから始まるが、徐々に絆も生まれ、謎の真相に迫っていく。テーマは終始とてもマニアックだ。こんな事象にとことん熱くなれる二人が羨ましい。謎の男は、関心の射程が広く、何事にもセンスオブワンダーの目を向けられるキャラだ。こういうのはまさに人生の達人だと思う2025/12/30
no5uke
14
相変わらずすごい作家だ。 リーダビリティが高いだけで、面白さがない小説が現代文学には多いが、乗代作品はしっかり読みやすさの上にしかと快楽の質量が乗っかっている。巻末のエッセイも見事で、小説家冥利に尽きる経験をさらっとしているので驚きだ。2025/10/31
イータン
12
面白かった!関西弁の男は博識だし高級時計持ちだし『本物の読書家』の関西弁おじに見えなくもなかった。乗代氏自身が自分の足や資料を通して小津久足と栃木市を丁寧に描いた作品だなあと感じた。 作品中、男が琴平神社の石段の窪みを見て自分の足を嵌める姿や、「伝わらんでも人の思いが残る法もあると知らせとるがな、その思いを後世の人間が汲んでやれば当人たちも報われるっちゅうもんやないか(略)。」と言った場面が作者の仕事ぶりを表しているようで、こういうところに感動してしまう自分がいた。2025/11/02
みのくま
8
栃木市皆川で小津久足の幻の紀行文『皆のあらばしり』を探す謎の男と高校生の浮田。だが調査が進むにつれ『皆のあらばしり』が偽書である可能性が浮上する。このニッチすぎる舞台設定は、巻末の作者によるエッセイがなければ本当の事だと信じたまま読了していただろう。作者はまさに偽書が偽書である事に気がつかれない事こそ偽書作者の本懐だと言う。ではなぜ巻末にネタバラシをするようなエッセイを挿入したのか。それはおそらく、フィクションが真実らしさを纏える事や、現実の地続きとして機能する事の感動を、読者に伝えたかった為ではないか。2025/09/16
かずぺん
6
会話が楽しいですね。2025/09/17
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