岩波現代文庫<br> 未来からの遺言 - ある被爆者体験の伝記

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岩波現代文庫
未来からの遺言 - ある被爆者体験の伝記

  • 著者名:伊藤明彦【著】
  • 価格 ¥1,243(本体¥1,130)
  • 岩波書店(2025/07発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006032463

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内容説明

吉野啓二さん(仮名)が語った被爆者としての半生は,きわめて具体的で未曽有の衝撃力を備えていた.だが感動的なその証言の中に大きな謎が含まれていたことが判明する.果たして吉野さんは幻を語ったのか.被爆者の声を生涯記録し続けた著者が,吉野さんの軌跡に寄り添い,被爆者とは何かを根底から問い直した衝撃の一冊.待望の復刊.(解説=今野日出晴)

目次

出会い――集会場にて
吉野啓二被爆を語る
一日目――被爆
二日目――姉さん
三日目――クモの穴
「原子爆弾の効果」――私の被爆者論
暗転
手紙
「国連事務総長への報告」
九州へ
被爆太郎の誕生
山峡の村で――死者を死せりというなかれ
あとがき
解説 今野日出晴

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

J.T.

6
被爆者の証言を集め始めた著者に、決定的とも言える、被爆の体験談を語ってくれた吉野さん。その吉野さんの話が実話ではなかったとしたら....。自分は被爆者ではないが、ややもすると「生と死の意味づけ」をせずにはいられない、脆い人間でもあるのだ。そんなことを再認識した。著者の取り憑かれたような仕事ぶりも凄い。2017/07/12

JunTHR

4
ものすごい。これは、これは一筋縄ではいかない。正直戸惑う。 被爆者の声を集め続けた伊藤明彦氏が出会った「ある被爆者」の語りは、他の誰よりも力強く伝わる圧倒的なものだったが、同時にある種の違和感を感じることもあり、悩んだ末に裏取りを取ろうとすると...という驚きの展開。 だが、それよりもその体験について考え続けた著者がたどり着く思考が、まったく一筋縄ではいかない境地。 2017/08/30

Voodoo Kami

3
全国の被爆者を訪ね歩きその声を記録し続けた(半分以上からは断られている)著者は、仮にその証言に誤りがあってもそれは「遅すぎた訪問者」である私達の責任だと言う。その著者が出会った一人の「完璧な証言者」の存在によって、「人間が人間の体験に耳を傾ける」ということはどういうことなのか、という根源的な問いが生まれる。被爆者が普通に周りで暮らす環境にいた私も深く考えさせられる書でした。ちなみに仕事で初めて暮らした大阪や東京では原爆投下日に黙禱サイレンが鳴らず、誰も特に気にしていないことに驚いた記憶があります。2020/12/15

う;へ;あ;は

2
感想として単純すぎるかもしれませんが、外から堂々と他者の生に意味づけを与えようとして後ろめたさを感じている風でもなさそうな文章に忌避感を抱いてしまいました。2018/09/04

leekpuerro

2
長崎の原爆のせいで悲惨な人生を過ごした男がいた。しかし、その証言には事実と違う部分があった。そんな人を発見したら、矛盾を暴こうとするのが普通だ。だが、何故こんな矛盾が生まれたのか?そう考えた事で素晴らしいノンフィクションになった。2013/12/30

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