内容説明
日本国憲法は国民の「幸福を追求する権利」を保障する。しかし、幸福とは個人が自ら追求するものであり、外部から与えられるものではない。では、憲法は幸福に対して、どのような姿勢をとっているのか。気鋭の憲法学者が、自由や人権、家族制度、同性婚、プライバシー権、選択的夫婦別姓、健康、共同親権、マイノリティへの差別意識など様々な問題を、憲法に書かれた言葉と向き合い解きほぐしていく。
目次
第1章 「プライバシー権」の難しさ
第2章 「個人の尊重」と「公衆衛生」
第3章 他者の思想を勝手に表明してよいのか?
第4章 同性婚を求める声に誠実に向き合っているのか?
第5章 「同居親=わがまま」という差別に抗するために
第6章 「氏の意義」を決めるもの
第7章 声を上げることの意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさにい
6
憲法は難しい。13条は、国民は個人として尊重されると謳い、その後で幸福を追求する権利は最大限尊重されると記してある。この規定から、プライバシー権などが認められているのだが、プライバシー権が、なぜ幸福を追求する権利なのかを理解しないと話が続かない。最大限尊重されるのは、立法及び国政の上でと言うことである。つまり憲法は国と国民との関係が中心であり、国の権限を制限する法律なのである。この点を理解していないと議論が限りなく広がってしまう。僕たちは、幸福とは何だろうかということをたまには考えた方がいいのだなぁ。2025/07/04
桐一葉
3
あとがきで、憲法学者の方もホッとしたり勇気をもらったりするんやー!と知って嬉しくなった。このまま自分の中にある気持ちを大事にしていいんや、生きてていいんやと思える。専門的な知識がなくても読んでいると安らぐ、と分かってからもっともっと知りたくなった。幸福である為には自分の中の幸福を探し続けて、声をあげていくことでより良い日々に繋げてゆく。その際に憲法がある、と知っていればかなり心強いなと思う。分からないなりに理解を深めてゆきたい。2025/08/02
志村真幸
3
プライバシー権、アルコール中毒、国葬、同性婚、親権、夫婦別姓問題、人権という7つのテーマをとりあげている。憲法や法律や裁判事例を通して、現状でどのような問題が発生しており、どこに原因があるのかが明確に示される。その分析と腑分けの手際が見事だ。 さらに、全体を俯瞰して、もっとも大切なポイントに立ち返っていく。たとえば、非合意・強制型共同親権推進論では、子どもの幸福が第一であるべきなのに、見過ごされてしまっているのだという。 なおかつ、そうした議論のプロセスに人間味を感じさせる。2025/04/07
Go Extreme
2
個人情報をコントロールできる権利 人間関係構築の自由 個人として尊重される 人格的自律 病因としての社会 国葬性 言いたくないことを無理やり言わされること 社会的イメージが作られること 非合理な区別 シングル親への不信 家族の呼称 重要な利益を奪う行為 社会的な承認 マイノリティの中のマイノリティ 一人でも跪く声を上げられる 自分の感じている苦痛を他者に向けずに発信する 人権は社会が成り立つ上での基盤 譲れない一線 人権保障のための制度を作らないこともまた重大な人権侵害を放置している2025/05/05
takucyan1103
0
【OS図書館 ★★★★】▽ 幸福を望まない人はいない。でも、人はしばしば、幸福を遠ざけるような選択をしてしまうことがある。2025/06/18
-
- 電子書籍
- 謎漫画アナザーストーリー 1
-
- 電子書籍
- 離婚後夜【タテヨミ】シーズン1 023…
-
- 電子書籍
- 乙女の告白 1【分冊】 9巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- 異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一…
-
- 電子書籍
- 原発「危険神話」の崩壊