縄文 革命とナショナリズム

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縄文 革命とナショナリズム

  • 著者名:中島岳志
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 太田出版(2025/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784778319724

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内容説明

戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。
岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見いだし、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。
戦後日本人の新たな精神史。

アナーキストも保守思想家も、縄文には夢をたくしてきた。
その系譜を細大もらさずおいかける、超古代幻想の現代史。
――井上章一

あらゆる「日本」が投影される縄文の現代史を網羅し、
その思想の体系を詳述した重要な一冊。
――いとうせいこう

序章  戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
第一章 岡本太郎と「日本の伝統」
     縄文発見
     対極主義と「日本の伝統」
第二章 民芸運動とイノセント・ワールド
     民芸運動と「原始工芸」
     濱田庄司の縄文土器づくり
     最後の柳宗悦
第三章 南島とヤポネシア
     島尾敏雄の「ヤポネシア」論
     吉本隆明『共同幻想論』と「異族の論理」
     ヤポネシアと縄文
第四章 オカルトとヒッピー
     空飛ぶ円盤と地球の危機
     原始に帰れ!――ヒッピーとコミューン
第五章 偽史のポリティクス――太田竜の軌跡
     偽史と革命
     「辺境」への退却
     スピリチュアリティ・陰謀論・ナショナリズム
第六章 新京都学派の深層文化論――上山春平と梅原猛
     上山春平の照葉樹林文化論
     梅原猛――縄文とアイヌ
終章  縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どら猫さとっち

12
縄文時代と戦後日本。これほど結びつきがあったとは知らなかった。岡本太郎、芹沢長介、島尾敏雄、手塚治虫、太田竜、梅原猛、窪塚洋介…。彼らが縄文で見た“イノセントワールド”、それはスピリチュアルとポリティクスを見いだした世界でもあった。憧れとノスタルジーが交差した日本史の始まりに、日本のあるべき姿が見えた。「超古代幻想の現代史」のすべてが、ここにある。2025/09/18

Asakura Arata

9
縄文時代についてはわからないことが多く、取り上げる人の妄想幻想が垂れ流しになり、恣意的にプロパガンダの道具として利用される。そもそも「縄文時代」という区切りも恣意的だし。しかし、今後の分子生物学的にDNAによる解明が進めば、もう少し妄想できにくくなっていくだろう。2025/08/13

Koji Harasawa

8
参政党という集団がいま行われている参院選で躍進するとされている今、読んで良かった。スピリチュアルとナショナリズムが、なぜ融合するのか。その2つを結ぶのが縄文なのだろう。考古学的には解明が難しい故、時代毎に必要とされる意識が縄文に反映されてきた。これからもそれは続くだろうと著者は分析する。縄文をめぐって何が語られているのかを知ることは、その時代が求めている解決策を知る一助になるのかも知れない。400頁を超える力作だが、まったく飽きなかった。2025/07/16

奏市

6
わからないことが多い時代、文化だけに人々の想像を様々掻き立て、時に政治的な主張の根拠にも使われてきた縄文。スピリチュアル、ヒッピー文化にも大きな関連を持つところが懐の深さを感じさせる。自分もここ数年、縄文に関心が強まり、豊かな内面性を持っていたのだろうと漠然と好感持っていたからこの本も読んだわけで、本書に出てきた人たちの思想から大いに影響受けていると感じた。岡本太郎の章では、コーヒー飲むのも忘れてのめり込むように読んでいた。「極と極とのぶつかり合いであり、にらみ合いである」対極主義を自身に取り入れたい。2025/12/22

K.C.

3
政治学者である筆者が本書を顕した理由は「あとがき」で分かった(というか、そこまでどこまで飛躍した議論なんだとすら思った)。縄文やスピリチュアルに拠り所を得るのは右派の専売特許的に考えていたが、本書でそうではない、左派もストレートだったりねじれて寄っていくのは本書で初めて知る(新左翼の著名活動家の至った道はやや落胆すらした)。結局、「純粋」が好きなんだなと。政治をめぐる最近の流れは何となく本書が示してくれたように思う。2025/12/24

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