縄文 革命とナショナリズム

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縄文 革命とナショナリズム

  • 著者名:中島岳志
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 太田出版(2025/06発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784778319724

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内容説明

戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。
岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見いだし、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。
戦後日本人の新たな精神史。

アナーキストも保守思想家も、縄文には夢をたくしてきた。
その系譜を細大もらさずおいかける、超古代幻想の現代史。
――井上章一

あらゆる「日本」が投影される縄文の現代史を網羅し、
その思想の体系を詳述した重要な一冊。
――いとうせいこう

序章  戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
第一章 岡本太郎と「日本の伝統」
     縄文発見
     対極主義と「日本の伝統」
第二章 民芸運動とイノセント・ワールド
     民芸運動と「原始工芸」
     濱田庄司の縄文土器づくり
     最後の柳宗悦
第三章 南島とヤポネシア
     島尾敏雄の「ヤポネシア」論
     吉本隆明『共同幻想論』と「異族の論理」
     ヤポネシアと縄文
第四章 オカルトとヒッピー
     空飛ぶ円盤と地球の危機
     原始に帰れ!――ヒッピーとコミューン
第五章 偽史のポリティクス――太田竜の軌跡
     偽史と革命
     「辺境」への退却
     スピリチュアリティ・陰謀論・ナショナリズム
第六章 新京都学派の深層文化論――上山春平と梅原猛
     上山春平の照葉樹林文化論
     梅原猛――縄文とアイヌ
終章  縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Asakura Arata

7
縄文時代についてはわからないことが多く、取り上げる人の妄想幻想が垂れ流しになり、恣意的にプロパガンダの道具として利用される。そもそも「縄文時代」という区切りも恣意的だし。しかし、今後の分子生物学的にDNAによる解明が進めば、もう少し妄想できにくくなっていくだろう。2025/08/13

Koji Harasawa

6
参政党という集団がいま行われている参院選で躍進するとされている今、読んで良かった。スピリチュアルとナショナリズムが、なぜ融合するのか。その2つを結ぶのが縄文なのだろう。考古学的には解明が難しい故、時代毎に必要とされる意識が縄文に反映されてきた。これからもそれは続くだろうと著者は分析する。縄文をめぐって何が語られているのかを知ることは、その時代が求めている解決策を知る一助になるのかも知れない。400頁を超える力作だが、まったく飽きなかった。2025/07/16

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