内容説明
戦後65年,本土防衛の捨石とされた沖縄ではいまも日常的に戦没者の遺骨が発見されている.那覇新都心など,再開発の進むかつての激戦地跡から偶然掘り起こされた日本兵の遺骨・遺品は,私たちに何を問いかけているのか――.普天間移設問題に揺れる沖縄で,遺骨収集の現場をおさめた写真30点と「骨」「戦後」をめぐる論考集.
目次
骨に呼ばれて………比嘉豊光
珊瑚のカケラをして糺しめよ………仲里 効
熱狂の夏の足下に………新城和博
ある“一兵卒”女性の戦中・戦後………宮城晴美
六五年目の黄泉がえり………西谷 修
「戦死」を掘る――沖縄における遺骨収集の現在的展開………北村 毅
無数の罅(ひび)割れと襞(ひだ)に向かって………小森陽一
写真撮影地一覧
沖縄本島中部の主な日本軍陣地,住民避難壕地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
18
頭蓋骨から始まる。カラー写真は屍が多い。気が滅入るが、これが沖縄の現実。米軍が返還後も半植民地のような状況で、随分と沖縄の住民には酷い仕打ちをしてきた。ヴェトナム戦争では、沖縄は前線基地と化し、爆撃機が飛び立った(52頁上段)。沖縄の現実を直視できようか。移設ではなく、軍縮が正しい方向性。だが、政府も先送りで、矛盾を押し付けるだけでは好転しないであろう。2014/03/07
love_child_kyoto
2
これはすごいドキュメント2010/12/28
cino
0
これは必読。2017/02/12
tecchan
0
那覇の新都心は戦中、シュガーローフと言われた激戦地だった。沖縄では、再開発や公共工事などで戦死者の遺骨が今でも多数出てくる。戦争の傷跡が住民の日常生活の身近にある。そして,悲しいかな、遺骨収集は民間ボランティアが中心となってこれまで行われてきた。この本は,フォトドキュメントとして,そんな現状をつきつける。現在に生きる人に、なにを問いかけるのか遺骨となった人達。2022/02/22