内容説明
小説投稿サイト『カクヨム』にて5400万PV(2025/05/27時点)を突破した超傑作が、新たなビジュアルで再始動!さらに15,000文字オーバーの書き下ろし、女僧侶ステアによる本編前日譚『夜明けの星』も収録!
悪意の迷宮。勇猛果敢な英雄が仲間たちと徒党を組み、神話に出てくる魔物たちと戦い、財宝を得る。そんな御伽噺の舞台へと足を踏み入れた僕らは、薄暗い迷宮のなかで眼前に迫る敵に対して身構える。……三匹の大ネズミ。喜劇的とも言える死闘。ネズミに翻弄され、息も絶え絶えになる前衛に、たった一度しか回復魔法を唱えられない僧侶の少女、そしてたった一度、火球を出せるだけの魔法使いの僕。
激闘と尊い犠牲の末に手に入れることができたのは、汚い革製の帽子が一つ……
奴隷狩りに捕まり債権奴隷になった少年の冒険が始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
和尚
27
懐かしいと思いながら、リブート版読みました。面白かったです! 名前付きのキャラのみならず、下手したら主人公すらも死んでしまうのではないかという緊張感と、生き残ったのが咄嗟の判断や偶然である事がひしひしと伝わってくるような主人公の思考に、迷い。 そういう命が軽い生々しい迷宮のリアリティがありながら、主人公が軽妙な少年なんですよね。それが物語を暗くなりすぎずに凄いバランスで読みやすくしてくれてる気がします。WEBと変わるという2巻も楽しみです。 2025/07/31
わたー
18
★★★★★面白かった。主人から命じられて冒険者となるも、秀でたものがなかったために誰でもなれる魔法使いになった奴隷の少年「ア」。彼が仲間たちと共に迷宮探索をしていく物語。物理的な戦闘能力は皆無、魔法も炎を2回出せるだけというド底辺からスタートして、血や汚物にまみれながら必死に生き残ろうとする泥臭さ、生き汚さが非常に良かった。死が仲間たちよりも身近にいて、命が紙よりも軽い世界で、薄氷の上を渡るかのようにギリギリで生を掴んでいく。そのスリルがクセになりそう。2025/07/17
まっさん
17
★★★☆ 悪意の迷宮。多くの魔物が跋扈し、冒険者が呆気なくその生命を散らす世界。そんな御伽噺のような世界へと僕らは歩みを進める。三匹の大ネズミ…それが僕たちの初めての闘い。最弱の魔物に翻弄され、息も絶え絶えになってしまう。決着は着いた。一度しか回復魔法を使えない僧侶、ろくに技術を持ち合わせない盗賊、そしてたった一度しか火球を出せない奴隷の僕。激闘と呆気ない犠牲の末に手に入れることが出来たのは、僅かな路銀と汚い革製の帽子だけだった… 面白かったですね。 過去に他レーベルで発売されており、一巻で打ち切りに→2025/07/30
たまご
13
特筆すべきは主人公が普通の少年であるということ。魔法も最初は1回しか使えない。そんな迷宮探索は常に死と隣り合わせ。ストーリーに派手さは無いけれど、冒険者達の紡ぐドラマに不思議と強く魅力される。突如死を自覚し恐怖に怯え泣き出したり、自身の矜持に命を持って答えたり。そんな人間臭いシーンがやたらと胸を打つ。とにかく読み出したら止まらなかった。著者の筆力えぐい!ちなみに私のお気に入りキャラはギー。キャーキャー笑うのが可愛かった。一度は打ち切りになった本作だけど、レーベルのリブートには感謝しかないです。大満足。2025/07/29
サキイカスルメ
12
主人から命じられて魔法使いになった奴隷の少年が、生きるために悪意の迷宮に仲間と挑んでいくファンタジー。面白い!!戦闘能力なし、魔法は1種類数回しか使えない、一緒に迷宮に行く仲間は烏合の衆という絶望感。いつ誰が死んでもおかしくない状況で、それでも生きていく冒険者たちの話がよかった。冷めて割り切ってるように見えた主人公も心が壊れないように必死で耐えているんだなというのが見えた描写が素晴らしかった。良いところ悪いところどちらもある周りの人たち、すごく人間らしくて面白かったです。2025/07/17