内容説明
初小説にして芥川賞候補作となった『いなくなくならなくならないで』に続く、向坂くじらの小説第二弾! 幼い頃から納得できないことがあると「割れる」アンノは、愛に疑念を抱いていて――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
175
第173回芥川賞候補作第一弾(1/4)、向坂 くじら、2作目です。本作は、芥川賞っぽい作品、インパクトもあり、受賞でも良かった気がしますが、上位2作にも押されなかったのは、文藝春秋刊でなかったせいでしょうか❓ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039701/ 7月は、本書で読了です。2025/07/31
シナモン
97
自宅の庭にテントを張ってそこを居場所にする。子どもっぽいなんとも中途半端な家出。読みやすかったけど、内容に共感できるところが少なくて私には合わなかったかな。芥川賞候補作。文藝2025年春季号にて読了。芥川賞候補作、3作品読んだけど、今回はどれも自分には難しくて。読む筋力が鍛えられました😅2025/07/11
ネギっ子gen
63
【焼夷、自衛、愛】著者の感性が光る作品。表紙・題名も良し。バレエスクールで、アンノやモリちゃんの顔の造作を、男の子二人がこそこそ笑ったことにアンノは怒って一人の右頬を叩き、先生から「それじゃ美しくないわ。7歳からはもうレディなのよ」と言われ、「たたいたのはいけなかった」と答えた時、迎えに来た母は先生をにらみ、「理由もなく人に手をあげるような子じゃありません。わたしには、わかります」とアンノの味方をする。で、<アンノの頭は、もともとそうなることが準備されていたみたいに、てっぺんからパカっと割れた>と―― ⇒2025/07/14
shio
38
家族として娘として期待される愛の形。恋人として押しつけてくる愛の形。そこに当てはめようとされた時に、アンノの頭は“割れる”。割れめからあふれ出る感情をぶつけて、人と衝突するアンノ。叱らずに庇う母親をアンノは即時になじる。「逆だろ!」家族に不信感を抱き、自宅の庭でテントを張って暮らすようになる。アンノを「立ちのき」に追いやったのは、奇妙な縁で知り合った人との別れだった。エッセイでも書かれていた「愛」と、人との「距離」。独特な感覚が興味深いなぁと思っていたけれど、小説になるとさらに鮮烈に伝わりました。2025/07/19
あおでん@やさどく管理人
27
「怒る」とも「泣く」とも違う「割れる」。あえて言えば自分の気持ちは誰も分かってくれないという嘆き、叫びだろうか。そして物語後半では、アンノがあーちゃんの別の一面を知る。自分の気持ちが誰にも分かってもらえないのと同様、あーちゃんの考えも全ては分かっていなかったということだろう。2025/08/16
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