内容説明
デイヴィドソンやアンスコムの画期的な研究によって20世紀中盤から盛んとなった現代の行為論。トピックが多様化して錯綜した現在の議論を本書では手際よく整理し、行為の説明や行為の存在論、意図といった代表的な主題から集合的行為者性のような新しい主題まで、読者が自分で議論を組み立てられるよう工夫をこらして提示する。
目次
謝 辞
第1章 序論:行為の哲学とは何か
第2章 行為の問題とは何か
2.1 能動性と受動性
2.2 目標指向性
2.3 帰属可能性
2.4 「行為っぽい」現象的性質
2.5 自発的行為
2.6 合理的行為、すなわち理由があって行為すること
2.7 実践的知識
2.8 意図的行為
2.9 意 図
2.10 自律、同一化、自己統御
2.11 さらなる選択点
2.12 結 論
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第3章 行為の説明
3.1 さまざまな形式の合理化説明
3.2 行為の理由:動機づけ理由 対 規範理由
3.3 「なぜ?」の問いについてもう少し
3.4 行為の説明:四つの説
3.5 無合理的行為
まとめ
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第4章 行為の存在論
4.1 世界の中のどんなものが行為でありうるのか
4.2 一定の記述のもとで
4.3 基礎行為
4.4 アコーディオン効果
4.5 行為はいくつあるのか
4.6 行為の因果説
4.7 因果説に代わる見解
4.8 不作為
4.9 心的行為
まとめ
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第5章 意 図
5.1 方法論上の優先事項:現在か、それとも未来か
5.2 目標状態と計画状態
5.3 意図の還元的説明
5.4 計画状態と計画合理性
5.5 意図についての認知主義
5.6 際立って実践的な態度
5.7 意図することと意図的行為
まとめ
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第6章 実践的知識
6.1 「実践的知識」とは何を意味しているのか
6.2 実践的知識の射程と対象
6.3 実践的知識に関する説明
まとめ
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第7章 行為には構成的目的があるのか?
7.1 善の相
7.2 自己理解という目的
7.3 自己構成という目的
7.4 力への意志
7.5 構成的目的などない
7.6 倫理学とメタ倫理学への含意
まとめ
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第8章 同一化と自己統御
8.1 同一化に関するフランクファートの議論
8.2 ワトソンの反論とプラトン的代替案
8.3 フランクファート再訪:専一性
8.4 自己統御的方針に関するブラットマンの議論
8.5 自己統御についての懐疑論:系譜学的懸念
8.6 自己統御と計画合理性
まとめ
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第9章 意志の誘惑、意志の弱さ、意志の強さ
9.1 共時的アクラシアはそもそも可能か
9.2 推論の失敗?
9.3 評価と動機づけの分裂?
9.4 アクラシアは必然的に不合理か
9.5 時間を通じた意志の弱さ
9.6 自制心
まとめ
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第10章 集合的行為者性
10.1 問いと制約
10.2 グループ行為者
10.3 集合的意図
10.4 共に行為すること
まとめ
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第11章 結 論
参考文献
訳者あとがき
索 引
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