石の扉

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石の扉

  • ISBN:9784336077066

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内容説明

シュルレアリスム×メキシコ魔術 

エルンストと出会いシュルレアリストになり、メキシコに渡り独自のシュルレアリスムを発展させたキャリントン。「〈石の扉〉よ、私を通して、外に出して」とリフレインする少女――占星術・錬金術・魔術が渾然となり、死者の国からハンガリー王を探す魂の遍歴の壮大なメタフィクション「石の扉」ほか、不気味で、残酷で、夢、ブラック・ユーモアの奇妙な世界20篇。
短篇集『七頭目の馬』の戯曲を除く全篇に、「砂の駱駝」「グレゴリー氏の蝿」「ジェミマと狼」を付加し、抄録の「石の扉」を完全版とした日本版オリジナル編集。13篇は本邦初紹介。読み応えある詳細解説65頁、キャリントンの挿絵5葉添え。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

52
女性シュールレアリスム画家でもあったレオノーラ・キャリントンは小説もシュール且つビビットで鋭利だ。理想的な家庭や慈善によって胡坐を掻いた支配性と欺瞞への冷徹な糾弾や生きていると時々、耐え切れなくなる現実の醜さに抗う為に使われる魔術、現実的にはあり得なさそうな色合いや素材で構成された人物や衣装、動植物もキャリントン作品を見れば、しっくりとくる。野生で一途な愛による復讐と救いを謳う宗教家の傲慢さがぶつかり合う「彼らが丘の斜面を駆けた時」、血が繋がっているという忌まわしさが愛を壊す「シリル・ド・ガンドル氏」2025/07/30

rinakko

10
キャリントンの描いた世界や人の姿を思い浮かべて読むと、どの物語もしっくりきて一層魅かれる。表題作中篇と短篇19篇。神秘へ分け入ろうとする思考、救済手段としての魔術や占星術への傾倒、夢の領域での交感…など。死者の国にいる女性が、石の扉を開けて欲しいと生者の国にいる相手(魂の片割れのような)に呼びかける表題作は、著者自身の再生神話として書かれたそうだが、鮮烈なイメージがめくるめいて感嘆した。とりわけ好きな短篇は「彼らが丘の斜面を駆けたとき」「鳩よ、飛べ!」「エト・イン・ベリクス・、、」。解説もとても素晴らしい2025/05/08

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