内容説明
僕、絵空紡(えそら・つむぐ)は自分勝手な人間だ。そして僕のム責任で最悪な行動が、一人の女子高生を「殺して」しまった。もう死ぬしかない――こんな最低な僕が学校の屋上から身を投げ出した時、彼女は現れた。
「お願い、あたしの復讐に付き合って!」
それは僕の選択で死んでしまったはずの女の子・化野柚希(あだしの・ゆずき)。
彼女は「最強の幽霊」となり、彼女を本当に殺した凶悪殺人鬼・Sを倒すために、僕を復讐の相棒に選んだんだ――これは、月の欠けた場所に棲むム責任なウサギたちと少年と少女を巡る物語。そして僕が「最悪で最高なヒーロー」になるまでのお話だ。【電子限定!書き下ろし特典つき】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
椎名
7
作者買い。正直なところ楽曲を原案にした小説で当たったことがなかったのでハードルを低くしていたこともあるが、自分が楽曲自体に入れ込んでいなかったためか思ったより良かった。ちょっとコテコテ気味ではあったものの主人公とヒロインのやりとりなんかも作者らしさがあり、ラブコメ感強めな部分も楽しめた。読み終わってからちゃんと原曲のMVを見たが、本当にあくまで原案という感じだ。曲をそのまま落とし込んだというより、曲の世界観を使った創作という感覚。2025/07/07
slice
1
大方のボカロ原作ライトノベルがそうであるように、読み終わった、という事実だけが残り、いたずらに歌詞を盛り込んでみて原曲ファンの顔を伺うような稚拙な物語の記憶は、はるかかなたに消え去ってしまった。もうそろそろボカロを下敷きにしただけのテーマ創作のようなノベライズは不毛なのでは、という認識をさらに強まらせるだけだった。ノベライズという前提から生じる不自由さからやっつけ仕事気味になっているのか、著者にやる気がなかったのか。理由は定かではないが、気に入っている曲のノベライズであっただけに、ちょっと残念である。2025/07/03