内容説明
少女時代をパリ音楽院に学び、大戦前夜に帰国、19歳で衝撃的デビューを果たした安川加壽子。常に日本のピアノ界をリードし続けた天才女性ピアニストの一生を描く。吉田秀和解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
20
バイエルもチェルニーもハ長調から始まるが、実はハ長調が一番弾きにくい。指を伸ばした状態なら、短い指が白鍵、長い指が黒鍵に乗るのが自然で、たとえばロ長調から練習することをショパンは勧めた(彼の曲に♯や♭が多い理由も納得できる)。この奏法はピアノ教育界の主流にはならなかったが、ショパンからドビュッシー、ラザール・レヴィを経て安川加寿子に受け継がれたと著者は考える。安川のこの奏法の受容がほとんど無意識な少女期であること、安川の日本語が拙かった(仏語の方が堪能)ために意識化・言語化に苦労したとの指摘が興味深い。2015/07/15
Fumihiko Kimura
0
稀有なピアニストだった安川氏の生涯を、同じくピアニストとしての演奏論を織り込みつつ丹念にかつ自然に描く。そして、最後の最後に至って、筆者が発した楽壇への言葉は、蓋し重い。これまた稀代の音楽評論家吉田秀和が、評伝自体の解説としては誠に見当違いの文章を寄せているが、むべなるかな。2013/07/28
やくも
0
幼少女期を第二次大戦前のパリで過ごし、15才でパリ音楽院を卒業。19才で帰国以来、終生活躍したピアニストの評伝。エピローグには、きっと弟子の想いが集積されている。同じくフランス帰りの演奏家の門下として共感しっぱなしの一冊。2020/01/28
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