内容説明
大学卒業と同時にNPOに就職しウガンダに駐在した筆者は、深刻な飢えに苦しむ住民たちの命の危機に直面。絶望的な状況を前に、住民たちがこの荒野で農業を営めば、胃袋を満たすことができるのではないかと思い立つ。天候とのたたかいや政治家たちの妨害など、さまざまな困難に直面した筆者が、当時の手記を元に援助屋のリアルを綴った奮闘記。「不可能なんて言わせない」、飢餓援助の渦に飛び込んだ23歳が信じた道とは? 2024年第22回開高健ノンフィクション賞最終候補作!
目次
序 飢餓の大地に立つ
第一章 援助という世界の洗礼〈2023年2月~3月〉
第二章 自然とともにある暮らしを守るために〈2023年4月~6月〉
第三章 住民の変化に寄り添いながら〈2023年7月~9月〉
第四章 絶望を超え、歓喜の収穫へ〈2023年10月~12月〉
第五章 希望の畑に咲く笑顔〈2024年1月~2月〉
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・隊鳥
99
(2025-125)大学卒業と同時にNPOに就職しウガンダに駐在した著者。深刻な飢えに苦しむ住民たちの姿を見て、彼らを救う為に始めた灌漑プロジェクト。貧しく治安が悪いカラモジャ地域。本当のニーズは銃ではなく食料だ。撒くのは銃弾ではなく、穀物の種だ。飢餓の村での食料援助も必要なことではあるが、本当に必要なのは彼らが継続して自立できることだ。何もなかった大地に生活の糧となる農場が広がる。大学を卒業したばかりの若者がよくここまでできたものだと思う。素晴らしいの一言。文句なしの五つ星です。★★★★★2025/08/21
たま
86
辺境紀行が好きなので読んだ。2022年アフリカのNGO に赴任、23年ウガンダの貧困地帯で灌漑工事と農業指導を始めた記録。現地の住民、役人、業者、NGOスタッフのさもしい言動に悩まされつつ(私なら一週間で嫌になるところ、著者は若いのに人間が出来ている)1年目で豊作。上手く行かないだろうと思っていたのでこの結果はうれしかった。本筋ではないが、アフリカ赴任に対する京大農学部学生の反応にも驚く。アフリカを小ばかにしたり、興味ないと言い放ったり、そういう態度そのものがみっともないことを教えない偏差値教育の産物。2026/01/21
Book & Travel
34
大学卒業後、NPOに入ってウガンダに渡り、飢餓に苦しむカラモジャ地方での農業普及を進める著者。様々な困難に直面しながら、現地の人々と共に灌漑設備を作り、農地を拓いていく熱い奮闘記で読み応えがある。その一方で、紛争と武器提供による治安の悪さ、食糧支援への依存、「日当」目当てに集まる現地役人たちといった、アフリカと食糧支援の闇についても語られる点、とても興味深く読んだ。強い使命感と問題意識、リーダーシップ、現地人との交渉力など、壁にぶつかり悩みながら活動を進める中に垣間見える著者の頼もしさも印象に残った。2025/10/16
ばんだねいっぺい
26
海外援助の内情について包み隠さず情報を与えてくれる本で読みながら、筆者と同じストレスを感じるほど。いわゆる普通と思っている技術や道徳がいかに文明形成にてきめんに寄与することか。農場を作るためには人づくりが必要だったということ。2026/01/12
yyrn
20
ウガンダは、アフリカの中でも自然豊かで、農業国でありながら近年は経済成長の伸びが著しいと言われているが、いまだ電気も水道も引かれていない地域が多数あり、そのウガンダの最賃地域の復興に取り組むために、国際協力NGOの職員となった若き日本人の奮闘が、落ち着いた文章でつづられている本。干からびた大地にシャベルカーを持ち込んで深く大きなため池を作り、短い雨期の水を溜め、灌漑施設も敷設して地元の人々に農作物の栽培方法を教え、収穫に至るまでの様々な苦労が綴られている、と書くと身もふたもないが、身体を動かす苦労よりも⇒2026/06/11
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