小さな嘘つき

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小さな嘘つき

  • ISBN:9784152104342

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内容説明

ゴンクール賞ノミネート作 社会の不公平を浮き彫りにする法廷小説
五年前の強姦事件の被害者リザは控訴審の弁護をアリスに依頼した。アリスが調査を進めると、当時十五歳のリザの嘘により誤審が下ったことが判明する。嘘をつかざるを得なかった少女の痛み、社会の偏見により歪む司法……法廷記者の著者が放つ繊細な倫理の物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

新田新一

43
弁護士のアリスのところに、若い女性の依頼人がやって来ます。彼女は、痛ましい暴行事件の被害者と言われていました。しかし事実は異なり、本当に起こったことをアリスに話します。アリスは若い女性の言葉を信じて、再審を目指すことに。本当に良い小説でした。MeToo運動が起こって、女性たちが自分の受けた被害を話せるようになったのは、良いことだと思います。でも、それが真実を捻じ曲げるようになってはいけません。真実は飛び切り苦いものであることもあります。描かれているその苦さを噛みしめると、静かな感動が込み上げてきました。2025/07/26

ヘラジカ

36
司法の脆弱性、性的加害の構造的な問題をシンプルかつ簡潔に描いた小品。非常に生々しく、調べなくとも同様の事件がいくつもあることは想像に難くないが、それ故にもう一人の”犠牲者”のことを想うと、虚無感のような感情も抱いてしまう。私が男性だからだろうか。小説のなかであの人物が、どうもギミック、悪く言うと置物のような描かれ方をしていると感じてしまい、最後の演説文も空々しく響くものがなかった。感情を入れて読んでしまう男性への落とし穴として意図しているのか。だとしたら、まんまと気分が悪い自分を顧みないと駄目だろうか。2025/07/01

練りようかん

16
ゴングール賞ノミネート作品。主人公は性犯罪の加害者弁護で有名な男のもとで働いていた女性。そこに5年前の強姦事件の被害者がやってきて、大きな違和感とともに引き込まれた導入だった。事の成り行きは当時15歳だった胸の内をさらす、正直すぎる告白で明らかになるのだが、うまくいってない家族関係や通報した学校の世代間・男女格差のたたかいが絡み、芯の部分に気づくのに時間がかかった。終盤になってやっと訴えるのはこっちだった?全て嘘と言えるのか?と脳内が忙しくなる始末。このタイムラグこそ全てに通ずると、強い印象を残した。2026/01/19

ぽけっとももんが

12
これをどう消化したらいいのか。リザがついた嘘は、ある意味嘘ではなかったし、ランジュに罪はないのか。いやランジュに対しては難しい問題ではある。ここから冤罪がうまれるかねないわけだし、でも嫌な奴には違いないんだ。想像力があれば、自分がリザなら同じようなことを言ったかもと思うだろう。でもだめなんだよ。どうしてこんなことに、と思うとやはり、女性を性的欲望の対象としかみられない輩が悪いとしか。解説は丁寧だけれどもねたばれというかそのものなので先に読んではいけません。2025/10/23

pushuca

8
うそでしかいえないほんとのことがある2025/10/08

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