内容説明
インドという未知の世界を旅する。
「インド! 絶対いっしょに行く」と宣言した姉の横で、
「わたしは行かない」とあっさりと答えた三葉。
父が赴任するというインドに、全く興味が無かった三葉だが、偶然知ったある人のインドの小説に夢中になり、気持ちはどんどんインドの魅力に引き込まれていく。
小説の中の主人公は語る。
都会から都会へ、飛行機でヒューンと飛んでいって、適当に観光をして、お土産を買って「ああ、楽しかった」と、自己満足をして戻ってくる。そんな旅ではない旅がしたかった。まさに地をはうような、手探りの旅。そういう旅からしか見えてこない、インドを見たかった。手探りで何かを、この手でつかみたかった――。
どんな冒険が始まるのだろうか?
三葉の心の中でも化学変化が起こりだした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
43
嫌なことも納得させる不思議な魅力がある国、それがインドなのかもしれない。財や運のあるなし、誰かと比較して幸か不幸か決めて、不足しているものを欲し、手に入らなければ苛立ち、嘆く…だけど手に入り、満たされたモノへの関心、執着は消え、興味を失っていく。人は大なり小なりそういう生き物だと思っていた。でもこの物語にはそうじゃないがたくさん溢れていた…この世限りを謳歌する方法。ひとりの女性のインド旅行記に魔法をかけられた中学生。他人にも時間にもお金にも自分にさえも縛られない自由が本当の解放の意味を教えてくれる一冊。2025/07/09
雪丸 風人
14
よくある観光とは違った旅の魅力が凄い!世界の扉をバーンと開いてくれる作品ですね。主人公はおとなしめの13歳。手にした絵本に魅せられ、著者に手紙を書いたのをきっかけに、彼女が思いがけない体験を重ねるというストーリーです。自分の視野がいかに狭いか思い知らされました。インドの逸話が価値観に送り込む新風はハリケーン級ですね。これは子どもたちにとって、より深い衝撃になるでしょう。なかなか気づけないもう一つの多様性の存在を浮かび上がらせ、知見を広げてくれるところも素晴らしかったですよ。(対象年齢は12歳以上かな?)2025/08/13
Ayakankoku
5
自身のインド旅と重ね合わせながら読んだ。チャイチャイと響く寝台列車が懐かしい。2025/07/18
菱沼
2
小手鞠るいさんといえば、はるか昔に雑誌「詩とメルヘン」でその名前を覚えた人だった。あれよあれよと言う間に作家になって、それも良い作品をたくさん書いている。これも良い本だった。けれど、なぜかいつもわずかな物足りなさ(といっていいのかどうか)を感じてしまうのだ。言葉によって書き表されたことのほかに、言葉を重ねることで隠されたものがあるような。表紙の絵が美しかった。2025/07/22
いなこ
1
中学生の三葉は、父のインド赴任が決まりついて行くと言った姉がそれをやめ、集めていたインド関係の本をもらう。その中の絵本に興味を持ち、作者に手紙を送って…。小手鞠さんの経験をもとに生まれたということで、かなりリアルでそれがシビアに感じたが、未来に思いを馳せられる中学生にはそれらが魅力的に映ったようだ。作中にある絵本の内容が良かった。他のにも出典作品など色々な形で読み応えがあり、未知なるインドの様子に触れられた。2025/07/27
-
- 電子書籍
- 異世界転生スラム街からの成り上がり~採…
-
- 電子書籍
- 断罪された転生聖女は、悪役令嬢の道を行…
-
- 電子書籍
- Killers(上) 講談社文庫
-
- 電子書籍
- 100回お見合いしたヲタ女子の婚活記 …
-
- 電子書籍
- バーガント反英雄譚5 旅立つ英雄と救済…