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内容説明
2009年の初版以来、約14年ぶりの改訂版。様変わりした政治・経済面はもちろん、教育・福祉・言語・文化といった項目もボリュームアップ。余裕をもって仕事と生活を楽しむデンマークの人々のライフスタイルと日本はどこが異なるのか。旅行ガイドでは分からないデンマークの真の姿がここにある!
目次
はじめに
デンマーク概略図
Ⅰ デンマークの位置
第1章 デンマークの地勢――浅海に散らばった土塊の国
第2章 小国デンマークが自らの国境線を決めるとき――「己の欲せざる所は、人に施すなかれ」
【コラム1】デンマークのあちらこちらで
【コラム2】キルケゴールの父の生まれ故郷にあるセディングの教会
第3章 自治区「フリータウン・クリスチャニア」――他者への寛容とデンマーク人らしい「自由」の象徴
第4章 自治領グリーンランド・フェーロー諸島――デンマーク国家共同体のかたち
第5章 グリーンランドから見たデンマーク――結び目のあり方
第6章 スウェーデンから見たデンマーク――二律背反の鏡
第7章 ノルウェーから見たデンマーク――「デンマークでノルウェー人でいるって楽しい」
第8章 フィンランドとデンマークのつながり――北欧の「親戚」関係
第9章 アイスランドから見たデンマーク――旧都コペンハーゲンとの乖離
第10章 和解の象徴Istedl ven像――「恩讐の彼方に」
Ⅱ デンマーク語とは
第11章 デンマーク語の発音――16個の母音のある言語
第12章 デンマーク語の歴史――現在のデンマーク語ができるまで
第13章 デンマーク語のイディオム――日本語と共通する表現と独自の表現
第14章 デンマーク語のhyggeが表すものとは?――デンマーク人言語学者による説明を参考に
第15章 デンマーク人はエリート嫌い?――『現代デンマーク語辞典』に読み取れるデンマーク人の考え方
第16章 魚のいる風景――魚・釣り・漁などを背景にデンマーク語を考える
【コラム3】植民地産品とコショウ職人
Ⅲ デンマークの歴史から
第17章 デンマークの誕生とクヌートの海上王国――グローバルな中世のヴァイキング
第18章 海上王国としての中世デンマーク――コペンハーゲンと連合体制
第19章 北海・バルト海商業のかなめウーアソン海峡――類いまれな海峡通行税の歴史
第20章 7つの海をむすぶデンマークの国際商業――重商主義時代の繁栄
第21章 啓蒙の世紀をむかえたデンマーク――社会の変容とコスモポリタンな知の交流
第22章 出生地法に見る礫岩のような君主政――パトリオティズムに基礎づけられたデンマーク君主政の紐帯
第23章 「大工騒擾事件」を伝えたデンマーク・メディア――メディア発達の諸相と公論形成の萌芽
第24章 デンマーク史内のホルスティーン――地名呼称と人々の先入観の関係を考える
第25章 キルケゴールと国教会――神に呪われた家
第26章 キルケゴールの思想――グロントヴィとの対比を含めて
第27章 グロントヴィ――その複合系
第28章 フォルケホイスコーレ――「国民高等学校」の過去と現在
第29章 ハル・コク――「現実」正視の民主主義
第30章 デンマークの王室――グリュクスボー王家成立の物語
Ⅳ デンマークの政治・経済
第31章 デンマーク政治の特徴――デンマークの政治的アイデンティティ
第32章 デンマークとEU――デンマークらしさのディレンマ(2000年代初頭まで)
第33章 国際関係の中のデンマーク――2000年代以降の新展開
第34章 福祉国家の黄金時代――1970年代までのデンマーク経済史
第35章 1980年代以降のデンマーク経済――混迷からイノベーティヴ福祉国家へ
第36章 デンマーク・モデル――ユニークな企業システム
第37章 デンマークの労使関係・雇用政策――フレキシキュリティのモデル国
第38章 デンマークの企業経営――高い競争力の源泉
第39章 デンマークの税制・財政――危機をどう乗り越えてきたか
第40章 デンマークの地方財政――協調と合意のシステム
第41章 増加する国内の移民・難民とその政治的背景――国際社会への責任と実情
Ⅴ デンマークの文学・芸術
第42章 アイスランドの写本の返還――独立運動の終わり?
第43章 サクソ・グラマティクスの世界――中世ラテン語からデンマーク語へ
第44章 モルボーの話(Molbohistorier)――モルスの住民が愚か者として有名になったわけ
第45章 海の存在からの警告――デンマーク人が語る異文化間に通ずるもの
第46章 現代デンマーク文学事情――女性の書くオートフィクション
第47章 デンマークが生んだ世界文学作家――21世紀にカレン・ブリクセンを読む
第48章 グローバル時代におけるアンデルセン――現代の人々とアンデルセンを繋ぐ再編作品の魅力
【コラム4】科学と文学のコラボ絵本の誕生
第49章 エミーリアの泉――18世紀のデンマーク絵画から
第50章 避暑地に恋する画家たち――スケーイン画派のモデルと才能
第51章 デンマークデザイン――それを生み出した人びと
第52章 ウトゥソンによる集合住宅の設計――歴史的建造物の保存について
第53章 デジタル時代のデンマーク無声映画研究――映画史研究の新たな展望
【コラム5】映画女優アスタ・ニールセン
第54章 デンマーク映画 Dogme95――「純潔の誓い」という表現
Ⅵ デンマークの暮らしと社会
第55章 COVID-19蔓延期を経験して――デンマークの医療現場から
第56章 デンマーク福祉社会の風景(1)――福祉用具やウェルフェア・テクノロジーを活用する
第57章 デンマーク福祉社会の風景(2)――手を背中に回したままのケア? デンマークのリエイブルメント
第58章 家族で暮らすデンマーク――「信頼」と古き良き日本の生活との類似性
第59章 動物園におけるキリンの解剖に映るデンマーク社会――徹底的な現実主義
第60章 リベラルなデンマークの生殖補助医療――子どもを持ちたい人々の夢を叶える
第61章 有事の備えとしてのデンマーク郷土防衛隊――抵抗運動からの現代的な変遷
第62章 目前に迫るキャッシュレス社会――通貨デジタル化と現金決済の行方
第63章 デンマーク風力発電の現在――伝統からイノベーションへ
第64章 地域に根ざしたエネルギー転換――100%再生可能エネルギーの島、サムスー島の取り組み
第65章 デンマークの近代女性史――いつから女性たちは自由で平等に?
第66章 デンマークの子育て――親たちが感じる「子どもがかわいそう」とは?
第67章 デンマークにおけるエフタスコーレとは――若者一人ひとりの育ちを支える場
【コラム6】デンマーク中等教育における選択の重さについて
Ⅶ デンマークと日本
第68章 「外に失いしものを、内にて取り戻さん」考――日本で常識化していたデンマーク・イメージの作られ方
第69章 東海大学とデンマーク――松前重義の教育の理想
第70章 デンマークと日本の教育――「キリスト教教育」と「特別の教科 道徳」の比較から
デンマークをもっと知るためのブックガイド
感想・レビュー
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洋書好きな読書モンガー
かに
takao