内容説明
2025年7月、エリック・サティの没後100年を迎える。21世紀によみがえる古今並ぶ者なき偉大なる作曲家の代表曲を冠した、全十九景の現実的幻想劇。『船に乗れ!』『世界でいちばん美しい』など、音楽小説に定評のある作家が綴る、エリック・サティへのレクイエム&オマージュ作品がここに誕生。各篇にサティの曲名を付した短編を織り重ねた連作。
今が不安なあなたに贈る、シュールで奇想天外、ちょっとお洒落なストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
33
サティの名に惹かれて読んだ。穏やかな緊張感が漂うサティの楽曲。この本の不思議で現実感のない語りがサティに似た空気を醸す。ミステリアスな女性とピアニストとボーイ。そこにカットインされる研究施設。誰かの心象風景かと思いきや、後半ズルッとコケるところがあり、そこからは一気に通俗的に、でもそれからが面白くて冗談音楽に転調した。 2025/07/06
メタボン
22
☆☆☆ エキセントリックなサティの音楽には、エキセントリックな物語が似つかわしい。かなりぶっ飛んだ荒唐無稽なお話だったが、フランスでいうコントの設定としてはアリだなと感じ、作者の目論見は当たっているなと思った。2025/07/31
Hanna
6
大好きなエリック・サティが題名についているので読んでみた。サティのピアノ曲の題名による章立て。あっという間の小劇場でした。2025/07/30
ともりぶ
5
タイトルに興味があって読んでみた。ちょっと奇妙な話だな、くらいで終わると思いきや終盤の「びっくり箱」から喜劇に転換してびっくりした。2025/08/07
sataka
2
エリック・サティへのリスペクトに溢れた1冊。厳かな雰囲気から急速に俗っぽく、おかしな方向に進んでいくのがエミュとして完成度が高い。2025/08/03