内容説明
自ら命を絶った青年が残したという1冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は、かつての教え子から依頼を受け、俳句の解釈を進める。沖縄の情景を描いた句を読み解いていくうち、恐るべき秘密が浮かび上がってくる(「皐月闇」)。遊廓で蝶のような花魁たちと遊ぶ夢を見る男の末路、広い庭を埋め尽くす色とりどりのキノコがもたらす幻覚。静かに忍び寄る恐怖と緻密な謎解きが読者を圧倒する3編を収録。著者真骨頂のホラーミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
21
全体的にミステリの色と俳句,遊郭,狂言と和の要素が強い。【皐月闇】2人の入れ替わりで行われる俳句の解釈による謎解きに挟まる、老人作田の猜疑心や暗い感情の発露はまさに不穏なホラー。【ぼくとう奇譚】時代小説作家のような小物や用語を配置し、グロテスクで苦い結末にゾッとする。【くさびら】突如現れたキノコの幻覚の秘密。前二作品と異なり主人公自身は善人だったり2人の霊能力者だったりシリーズものの短編作な印象。三作とも巧みな文章力が光るいい怪談でした。2025/10/06
Yu。
21
俳句に隠された真実が顕になる毎にスリル度が増す「皐月闇」。奇妙な夢に悩まされる男の末路にあっぱれ「ぼくとう奇譚」。幻覚か否か‥ 一見気味の悪い現象を紐解くと哀しくとも愛情をも感じられる「くさびら」‥ といった見事な大技逆転劇に魅せられる三篇の貴志ワールド。。俳句・蝶・きのこ‥と、素材がどれも個性的でとても良かったですが、人と虫とのコラボが絶品の「ぼくとう奇譚」。色で危険等を知らせるという、きのこあってのストーリーに感動すら覚える「くさびら」 の二編は特に印象深い.𖥔 ݁ ˖༘⋆𐦍⊹₊ ⋆⋆。˚ⱄⰔⱖⰦ2025/09/28
JADE
17
久しぶりにゾクゾクしたくって貴志さんを手にしてみたけど、うーん、どうもイマイチ合わなかったかなぁ。どっちかっていえば「秋雨物語」の方が好みだった。俳句の解釈についていけなかった「皐月闇」、遊郭の夜の蝶たちの「ぼくとう奇譚」、キノコだらけの「くさびら」の3篇。どれも蘊蓄がすごくって、へぇ、ほぉ、と読み進めると、最期にゾクッとさせられる。ミステリっぽさもあって、そっちでも楽しませてもらえたけど、やっぱりのりきれなかった。ただ、貴志さんの博識ぶりには、作家さんってすげぇやと感心させられた。☆3.52025/10/09
Janjelijohn
13
世界観、時代設定を異にした3話のホラーサスペンスが収録されている。怪奇現象と精神錯乱を起こした人物とその感情の描き方がどの話もリアルではまってしまった。特に2話目の遊郭を舞台にした話は奥深くて怪しくて罠とわかっていてもその先に進んでいく男の目線ではらはらしながら夢中で読んだ。2025/07/29
はるぴ@ありがたきハピネス
10
「謎をとくたびに絶望は深まる」……という帯がカッコイイ。 ・皐月闇→俳句ミステリ。こういう謎解きは、新鮮だった。読後感爽やかではない(笑)・ぼくとう忌憚→大正ロマンっぽいレトロな雰囲気でアラ素敵……と読み進めていたら、どんどんグロくなって、ひえ~!描写が……上手すぎて、毒々しすぎて、気持ち悪いのよお~!虫がだめな人にはお勧めしません(泣)。でもこれぞ貴志さんのホラーって気もするな。(泣)夢にでそう。・くさびら→ハイ、きのこ嫌いの私が通ります。きのこの幻影。きのこ怖い。結末予想できず!きれいなラスト!2025/09/30
-
- 電子書籍
- 若さま同心 徳川竜之助 : 4 陽炎の…
-
- 電子書籍
- ユリゴコロ(コミック) 分冊版 5




