内容説明
大手デベロッパーのIR部に勤務する松永光弘は、自社の高層ビル建設現場の地下へ調査に向かっていた。目的は、その現場についての『火が出た』『いるだけで病気になる』『人骨が出た』というツイートの真偽を確かめること。異常なまでの乾燥と、嫌な臭気を感じながら調査を進めると、図面に記されていない、巨大な穴のある謎の祭祀場にたどり着く――。地下に眠る怪異が、日常を侵食し始める。恐怖の底に誘う衝撃のホラー巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hautan
7
図書館本。初作者さん。ちょっと長く感じたけれどそこそこ面白かったです。祟りとか怖かった。ゾワゾワ感が大きくて夢に出てきた(。-∀-)2025/07/31
ettyan えっちゃん
7
沖方丁は、SFか歴史小説か。マルドゥックシリーズはお気に入りで読んでいたが、天地明察や光圀伝で、何か違うなと読まなくなっていたのだが、朝宮運河さんの現代ホラー100選を読む中で、この「骨灰」を読んでみた。怪談とかホラーというより、モダンホラー感が強く好みだった。もっと、じんわりと怖い怪談風のお話かと思いきや、思ったより派手なホラー展開で満足。2025/07/21
今ちゃん
7
ホラーを読み慣れていないということもあって、どうなるのか見当もつかなくて、時間を忘れて読んでしまうくらい面白くもあり、怖い本でした2025/06/30
anxiety
6
この著者の特質は、ライブ感覚で文章を紡いでゆくことで生まれる疾走感にあると思う。物語の大まかなベクトルだけ決めて、あとは出たとこ勝負、というか…。主人公・光弘の動作や心の動きを逐一描写するのでかったるかったり、作中登場した人物の顛末がキチンと語られなかったり、色々穴はあるのだけれど、光弘が骨灰の障りに触れて、本人が無自覚のまま不穏な行動を重ねてゆく様子が怖いのはこの疾走感があればこそ。クライマックスは頁を繰る手がもどかしい。描写の細かさは変わらないので結局中々進まないのですが(笑)。面白かった。2025/08/04
Yuuki.
5
初っ端からゾワゾワし、多少派手な演出もありつつも、そのゾワゾワが継続して付き纏ってくるホラー。非科学的なものは信じないと言っている人でも、日本人なら潜在的に畏れていそうなもので、ジワジワと恐怖を味わわせてくれる。主人公の無意識の変化には、不気味さと憐れさを感じた。2025/07/29