角川文庫<br> 八月の母

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角川文庫
八月の母

  • 著者名:早見和真【著者】
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • KADOKAWA(2025/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041156438

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内容説明

『イノセント・デイズ』を今一度書く。そして「超える」がテーマでした。僕自身はその確信を得ています――早見和真

長い間歪み続けた愛や母性の歴史、地層のように積み重なる闇に確かな兆しを探し続けた。神なるものへの幻想と呪縛を解き放つ祈りとその熱に、心が確かに蠢いた。――池松壮亮(俳優)

私も命を繋いでいく役目を担うのだろうか。微かな光と絶望に怯えながら、夢中で読み進めた。どうしようもない日々に、早見さんはいつだって、隣で一緒に座り込んでくれるんだ。――長濱ねる(タレント)

自分の奥底に隠しておきたい暗い何かをわかってくれている、という書き手がこの世に一人でもいること。そのことに救われ、気持ちが軽くなる読者は少なくはない。――窪美澄(小説家)

容赦などまるでない。「母」にこだわる作家が、母という絶対性に対峙した。確かなものなど何ひとつない世の中で、早見和真は正しい光を見つけようとしている。その試みには、当然異様な熱が帯びる。――石井裕也(映画監督)

ラストに現れるヒロインの強い覚悟と意思の力に、私たちは元気づけられる。辛く暗く苦しい話だが、そういう発見があるかぎり、小説はまだまだ捨てたものではない。――北上次郎(書評家)(「カドブン」書評より抜粋)

八月は、血の匂いがする――。愛媛県伊予市に生まれた越智エリカは、この街から出ていきたいと強く願っていた。男は信用できない。友人や教師でさえも、エリカを前に我を失った。スナックを営む母に囚われ、蟻地獄の中でもがくエリカは、予期せず娘を授かるが……。あの夏、あの団地の一室で何が起きたのか。嫉妬と執着、まやかしの「母性」が生み出した忌まわしい事件。その果てに煌めく一筋の光を描いた「母娘」の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

121
早見さんの「イノセント・デイズ」と同じような範疇に入る作品でやはりかなり重いテーマで読むのに苦労しました。プロローグでは夫婦の間の話に「イノセント・デイズ」の事件のような話が少し出てきます。この話も愛媛で実際にあった事件に触発されて書いたのではないといわれています。家庭内暴力あるいは性被害などが語らえますが、最後のエピローグでは希望が見えます。2026/01/14

misa*

47
なんとも重い作品。連鎖を断ち切るのは、生半端なことじゃないんだな。そして母子もそうだけど、親子関係って目に見えないところでとにかく強い繋がりがあるように思える。どんなに憎くてても、その縁を切るのは相当な覚悟がいるから。自分自身がその経験があるからなのか、読んでてすごく辛かったし苦しかった。けど、その中で感じたのは、やはり強く自分を見失わないこと。ここから逃げたい!そう思う力は絶対裏切らないって思うから。そして実際にあったことをモデルにしてることを読後に知って、改めて怖くも感じる作品。2025/12/12

くりん

36
★★★☆☆(3.7)こんなにも重い読書は初めてかもしれない。8月15日に生まれたエリカは母親に放置されて育った為、誰もが気軽に集える賑やかな家を作りたかった。でもそこにルールはなく基本は無法地帯。そんな中とても悲しい事件が起こる。読み終えて実話が元になっていることを知った。本書を書きあげるのに相当な心血を注いだとの事。それにしても早見さんはこの本を通じて読者に何を訴えかけたかったのだろう。こんなにもやるせない報われない事件があったということを伝えたかったのか。不幸の連鎖を止めたことを書きたかったのか。2025/08/19

うどん

34
なんて重い物語...。一気読み。2025/08/27

yuuguren

33
「アルプス席の母」がさわやかな良い小説だったので、同じ著者の本書文庫版を購入した。打って変わって本書は重いテーマだった。形は違えどうまくいかない母娘たちの不幸が語られ、挙句の果てはそれがリンチ殺人事件までいってしまう、正直気が滅入るような展開だった。しかし最後に、妊娠している陽向とおなかの娘の明日花は今までの母娘たちの不幸のループから抜け出し明るい未来を予感させる。巻末の窪美澄さんの解説で伊予市での実際の事件が本書のモチーフであり、著者が愛媛で6年間暮らしたことなどが書かれていて驚いた。2025/07/20

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