内容説明
本書は、心理学者・西田隆男氏の現代心理学講座をもとに編集されたもので、シリーズでは「身体心理学」「仏教心理学」など多様なテーマを扱ってきました。今回は、困難から立ち直る力「レジリエンス」と、身体を軽くたたくセルフケア「タッピング」が取り上げられています。「レジリエンス」という言葉は、トラウマやPTSDに対処する方法としてベトナム戦争以後に頻繁に使われるようになりました。が、どうすればレジリエンスを鍛えられるかについては定説がなく、本書では、タッピングによるその有効性と即効性が強調されており、トラウマやPTSDへの対処法として注目されています。理論的な根拠は明確でないものの、「今この瞬間」を大切にする姿勢を大きなテーマとして具体的に解説をしています。
目次
まえがき
第1章 「レジリエンス」とは、生き抜く力の根っことなるもの
◎「レジリエンス」とは「回復力・再起動力」
◎「トラウマ」という言葉を生んだベトナム戦争
◎激しい衝撃体験が必ずしもトラウマになるとは限らない
◎「レジリエンスの軌跡」の研究が始まった
◎第二次世界大戦でのトラウマ発症は「戦争神経症」として蔑まれた
◎ベトナム戦争と第二次世界大戦の違いは報道統制
◎レジリエント(レジリエンスを発揮できる人)の15の特徴
◎行動に欠かせないのはフレキシビリティ・マインドセット
◎フレキシビリティな人の脳は「海馬」が大きかった
第2章 「エネルギー心理学」から出てきたタッピング療法
◎ひどい目にあっても「負けないぞ!!」と起ちあがるための技法
◎タッピングがレジエンスを育てていく
◎ベトナム帰還兵がトリガーの暴発にタッピングで対処
◎タッピングの二つの心理技法「TFT」と「EFT」
◎きっかけとなった「メアリーのケース」
◎EFTは「セラピー(療法)」ではなく「テクニック(技術)」として開発された
◎心理学は日々の生活が緊張感にさらされる地域で発展する
◎存在しない手足が痛い「幻肢痛」にも効く
◎日本のタッピング療法は精神科医たちの治療現場で生まれた
◎その答えは線虫にあった―宇宙ステーションで行われた線虫の実験
第3章 実践編:タッピング・エクササイズ
◎実践Ⅰ:TSプロトコール・タッピング
◎実践Ⅱ:EFTタッピング
◎実践Ⅲ:EMDR合体型即効タッピング
◎実践Ⅳ:リソース・タッピング
第4章 マインドフルネス(今ここに意識を集中すること)でレジリエンスを強化する
◎マインドフルネスとは「今ここに」意識(心)を集中すること
◎心拍数を減らすと心が落ち着く
◎ラットがマインドフルネス(?)で心拍数を低減させた
◎マインドフルネスは「ストレス低減法」として西洋社会に入った
◎実践:マインドフルネス・エクササイズ
◎「記憶」を食べる細胞がある―トラウマ記憶を食べて消すグリア細胞
第5章 地域共同体というレジリエンス
◎家庭にも学校にも居場所のない子どもたちが増えている
◎「トー横キッズ」「グリ下キッズ」という居場所
◎9歳以下の子どもが行方不明になっている
◎銭湯がサードプレイスになった能登・珠洲市
◎「アウトリーチ」で困っている人を探した福島
あとがき
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