ちくま新書<br> アラン ――戦争と幸福の哲学

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ちくま新書
アラン ――戦争と幸福の哲学

  • 著者名:田中祐理子【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/06発売)
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  • ISBN:9784480076885

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内容説明

アランは思想の体系化や理論化を嫌い、具体的なものを目の前にして語り、ノートを毎日持ち歩き、プロポ(哲学断片)を綴り続けた。名著『幸福論』を通じて広く親しまれてきた彼の哲学には、二度の世界大戦が影を落としている。戦争の愚劣さを体験するため、自らすすんで従軍し、危険な前線に立ったアラン。その言葉は、暗い現代を生きる私たちに何を投げかけているだろう。生涯と思想の断片をつなぎ、「考えるとは否と言うこと」というアランの声に〈いま〉耳を傾ける、第一級の評伝。

目次

はじめに──「煉獄にいる哲学者」の言葉を読む/教師アランの教え/二度の世界大戦を生きた哲学者/アインシュタインの問い──「ひとはなぜ戦争をするのか」/「情け容赦なく存在する」ものの前で/煉獄にとどまる哲学者/いま、アランを読む/第一章 〈共和国〉の申し子──アランの生と哲学/1 エミール・シャルティエ/コメディ街三番地/城壁と草原と馬/2 一八六八年に生まれて/近代世界の広がりとともに/ナポレオン帝政の終焉/王党派と共和国の間で/書物と「知ること」への愛/3 フランス第三共和政と哲学教師たち/第三共和政と共和国の理念/ペルシュロンの旅立ち/教師ラニョーとの出会い/第二章 なぜプロポで語るのか/1 哲学教師シャルティエの出発/最初の教室/パリ高等師範学校と哲学者サークル/2 「反乱」とジャーナリズム/ドレフュス事件と「共和国」の亀裂/『ロリアン新聞』の「アラン」/3 〈アランのプロポ〉へ/プロポ以前のアラン/便箋二枚、毎日書く/初期のプロポから──「馬」の痛みと「信じ込むこと」/哲学とプロポ/第三章 第一次世界大戦と『マルス 裁かれた戦争』(一九二一年)/1 プロポと戦争/断片から世界を組み立てる/プロポの自在さ/開戦と入隊/2 志願兵シャルティエの戦争/教師の怒りと混乱/シャルティエの戦場とアランのプロポ/『精神と情念に関する八一章』『芸術の体系』そして『マルス』/3 戦場でアランが見たもの/生還した兵士の「沈黙」/死んだ兵士の「 」/4 憤怒の兵卒が砲弾になる仕組み/戦争という「システム」を書く/方法としての侮蔑/第四章 鏡でしかない知性の時代へ/1 「賢者」との対話/未曾有の体験/「ツルハシ」をめぐる会話/2 原因と必然の「知」/「賢者」の怒り/「狂信」と「悲劇」/世界大戦を「説明」する/3 「人間」が生み出したものによって「人間」が支配されるということ/誰も始めなかった戦争/戦地の「人間と呼ばれるものたち」と「美しさ」/第五章 第二次世界大戦との戦い/1 「戦後」の日々へ/教師アランと教え子たち/第一次世界大戦の 末/2 アランの反戦主義と「戦間期」の政治状況/一九二〇年代──「戦勝国」の首都パリで/「すでに戦争状態にある」ものに向けて/国際連盟──その役割と困難/「誓わねばならない」の呼びかけ/3 大戦の再来/一九三〇年代へ/反ファシズムと人民戦線/第三共和政フランスの敗北/第六章 煉獄の思想──人間はどれほどのことができるのか/1 アランの日記(一九三七~一九五〇)/二〇一八年の「アラン・スキャンダル」/ヒトラーを読むアラン/ヒトラーの平凡さ/「反ユダヤ」の自問/2 「われわれの自由」たる「神」に向かう思考/痛みと悲しみの日々/祈り──「人間は人間にとって神である」/「純然たる急進主義者」スピノザとともに/3 精神として、目を覚まし続けなくてはならない/第二次世界大戦の終わり/ヴェイユを読むアラン/考えるとは否と言うこと/むすび──「真の哲学者」アラン/あとがき/図版出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

127
「正しい理想や指導者に服従せよ」とする権威主義体制は、面倒な考える必要がないため歓迎される。しかし普仏戦争にドレフュス事件、第一次大戦と政治が服従を要求した果てに失敗する姿を見続けたアランは、懐疑主義に基づく合理的思考を重視する。一方的に正義や真理を決めつけず、自分で徹底的に考え抜かねばならないと。情に訴える政治が人類を支配すると、政治が提示する正義を疑いの眼差しで見る理性が失われると恐れた。しかし明日を見通せぬ時代、人びとはすがるものを求めてしまう。新しい戦前とされる今日、アランの考え方こそ必要なのだ。2025/08/17

sk

3
親切な入門書2025/07/27

ikn

2
75分? 良かった。 大戦経験者は疑い問わずには居られない印象がより強まった。 『おかしなことなど、そこに何ひとつない。 ーー「その通りだ、親愛なる賢者よ。」 だがそのように説明するとき、君の「知」はいったい、何を「知る」というのか。』2025/08/25

Rick‘s cafe

2
短く親しみやすいプロポ形式で、深淵な哲学的思考を語る哲学者。アランのイメージは只その様なものである。しかし19世紀末から20世紀中期までの激動のフランスに生きた哲学教師が、ただ「面白くためになる」だけではないのは明白だった。本書では『マルス』を足がかりに第一次、第二次大戦期のアランの足取りと思想、並びに哲学と世界に対する厳しい視線を詳にしていく。ただ方法論的懐疑に落ち着くのではなく、常に何に対しても否を突きつけ、目を見開いて考え続けること。救いを求めながらも、それを良しとしない姿に心打たれる。2025/07/04

Go Extreme

2
https://claude.ai/public/artifacts/105cdfd0-47dd-450f-95e2-fbe100aef1b1 2025/07/02

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