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内容説明
アランは思想の体系化や理論化を嫌い、具体的なものを目の前にして語り、ノートを毎日持ち歩き、プロポ(哲学断片)を綴り続けた。名著『幸福論』を通じて広く親しまれてきた彼の哲学には、二度の世界大戦が影を落としている。戦争の愚劣さを体験するため、自らすすんで従軍し、危険な前線に立ったアラン。その言葉は、暗い現代を生きる私たちに何を投げかけているだろう。生涯と思想の断片をつなぎ、「考えるとは否と言うこと」というアランの声に〈いま〉耳を傾ける、第一級の評伝。
目次
はじめに──「煉獄にいる哲学者」の言葉を読む/教師アランの教え/二度の世界大戦を生きた哲学者/アインシュタインの問い──「ひとはなぜ戦争をするのか」/「情け容赦なく存在する」ものの前で/煉獄にとどまる哲学者/いま、アランを読む/第一章 〈共和国〉の申し子──アランの生と哲学/1 エミール・シャルティエ/コメディ街三番地/城壁と草原と馬/2 一八六八年に生まれて/近代世界の広がりとともに/ナポレオン帝政の終焉/王党派と共和国の間で/書物と「知ること」への愛/3 フランス第三共和政と哲学教師たち/第三共和政と共和国の理念/ペルシュロンの旅立ち/教師ラニョーとの出会い/第二章 なぜプロポで語るのか/1 哲学教師シャルティエの出発/最初の教室/パリ高等師範学校と哲学者サークル/2 「反乱」とジャーナリズム/ドレフュス事件と「共和国」の亀裂/『ロリアン新聞』の「アラン」/3 〈アランのプロポ〉へ/プロポ以前のアラン/便箋二枚、毎日書く/初期のプロポから──「馬」の痛みと「信じ込むこと」/哲学とプロポ/第三章 第一次世界大戦と『マルス 裁かれた戦争』(一九二一年)/1 プロポと戦争/断片から世界を組み立てる/プロポの自在さ/開戦と入隊/2 志願兵シャルティエの戦争/教師の怒りと混乱/シャルティエの戦場とアランのプロポ/『精神と情念に関する八一章』『芸術の体系』そして『マルス』/3 戦場でアランが見たもの/生還した兵士の「沈黙」/死んだ兵士の「 」/4 憤怒の兵卒が砲弾になる仕組み/戦争という「システム」を書く/方法としての侮蔑/第四章 鏡でしかない知性の時代へ/1 「賢者」との対話/未曾有の体験/「ツルハシ」をめぐる会話/2 原因と必然の「知」/「賢者」の怒り/「狂信」と「悲劇」/世界大戦を「説明」する/3 「人間」が生み出したものによって「人間」が支配されるということ/誰も始めなかった戦争/戦地の「人間と呼ばれるものたち」と「美しさ」/第五章 第二次世界大戦との戦い/1 「戦後」の日々へ/教師アランと教え子たち/第一次世界大戦の 末/2 アランの反戦主義と「戦間期」の政治状況/一九二〇年代──「戦勝国」の首都パリで/「すでに戦争状態にある」ものに向けて/国際連盟──その役割と困難/「誓わねばならない」の呼びかけ/3 大戦の再来/一九三〇年代へ/反ファシズムと人民戦線/第三共和政フランスの敗北/第六章 煉獄の思想──人間はどれほどのことができるのか/1 アランの日記(一九三七~一九五〇)/二〇一八年の「アラン・スキャンダル」/ヒトラーを読むアラン/ヒトラーの平凡さ/「反ユダヤ」の自問/2 「われわれの自由」たる「神」に向かう思考/痛みと悲しみの日々/祈り──「人間は人間にとって神である」/「純然たる急進主義者」スピノザとともに/3 精神として、目を覚まし続けなくてはならない/第二次世界大戦の終わり/ヴェイユを読むアラン/考えるとは否と言うこと/むすび──「真の哲学者」アラン/あとがき/図版出典一覧
感想・レビュー
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