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内容説明
「中流幻想」ははるか彼方の過去の夢。1980年前後に始まった日本社会の格差拡大は、もはや後戻りができないまでに固定化され、いまや「新しい階級社会」が成立した。前著『新・日本の階級社会』により、日本社会の実態を客観的な調査データに基づいて明らかにしてみせた著者が、2022年の新たな調査を元に提示する衝撃の第2弾。
目次
階級構造、それは人生の舞台装置───序に変えて
第一章 「新しい階級社会」とは何か
第二章 「新しい階級社会」が生まれるまで
第三章 五つの階級:それぞれの生い立ちと日常
第四章 哀しみのアンダークラス
第五章 男の階級・女の階級
第六章 人の階級はどうやって決まるか
第七章 階級格差を拡大させた新型コロナ
第八章 格差をめぐる対立の構造と日本の未来
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
90
1980年代の一億総中流から時代は変わり、日本は格差社会に突き進んでいることがデータから見て取れる。今まで資本家階級、新中間階級、正規労働者階級、旧中間階級の4つが主な分類であったのが、更にアンダークラスとして非正規雇用労働者が13.9%890万人にのぼることも衝撃で、そのクラスは独身が多いため、同じ階級を再生産しない。第五章男の階級・女の階級で、男性の個人収入は女性の2.63倍とあり、家父長制資本主義の企業体制が根本にあるのではという指摘に、男性であるというだけで搾取している可能性を自覚すべきだと思う。2025/07/31
よっち
27
1980年前後に始まった日本社会の格差拡大は、もはや後戻りができないまでに固定化され「新しい階級社会」が成立したとする著者が22年の新調査を元に提示する第2弾。資本階級層、新中産階級、正規労働者階級、アンダークラスといった各階級を解説していきながら、それぞれの生い立ちと日常を分析して、アンダークラスの様々な不安や哀しみ、男女の階級格差と階級間格差の関係、格差の固定化はなぜ起こったのか、格差を拡大したコロナの影響や対立の構図など、豊富なデータをもとに多角的に緻密な分析は衝撃的でいろいろ考えさせられました。2025/08/01
kuukazoo
17
もはや「格差」ではなく「階級」であるという現実。実際どうなのか知りたく読む。2022年に三大都市圏在住者20~69歳約43000人を対象に行った調査結果を元に、現代日本の階級構造について分析。正規/非正規という雇用形態の違いによる格差が拡大し「アンダークラス」という貧困層が一定のボリュームを占めつつある。格差拡大を放置すれば社会の分断を招き、社会自体が持続困難に陥ると指摘。政府は格差縮小と貧困解消に向けて動くべきと説く。男/女という階級構造や、格差と自己責任論、政治的態度の関係など考えさせられること多々。2025/08/19
shikada
17
一億総中流の時代はとうに終わり、日本には新しい階級社会が成立しつつあることを示す一冊。本書では所得や業種から、現代日本は5つの階級に別れていることを示す。そのなかで最も苦しい立場に置かれ、コロナで収入や生活に悪影響を受けた層が「アンダークラス」。アンダークラスは傾向として両親の学歴が低く、父親の暴力やいじめの被害にあった経験があり、投票率が低い。人づきあいが少なく、そのためか人間を信頼できるものとみなせない人が多い。身体的・精神的な不調を抱える人も多い。本書は男女の「階級格差」にも踏み込む。2025/07/02
藤井宏
14
フレクシ-グローバル資本主義では、安い労働力を求めて中枢部分を先進国に残しながら海外に移転、サービスの種類や需要の変化に応じて労働力をフレクシブルに活用(非正規雇用の拡大)。貧困率の高いアンダークラスを生んだ要因。次世代を再生産する(子育て)費用はそこに考慮されていない。そのような社会は持続可能か。結局経済が回らない原因の1つになっているのではないか。本書の調査はインターネット調査の結果らしいが、調査方法のlimitation、バイアスの可能性についても述べてほしかった。2025/06/28
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