食文化からイギリスを知るための55章

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食文化からイギリスを知るための55章

  • ISBN:9784750355122

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内容説明

イギリス料理は「まずい」と言われるが、イギリスにおける食品の歴史をたどり、逸話に満ちた食の文化史をめくっていくと、考えが変わるかもしれない。歴史と伝統を重んじる一方で、新たなものをおおらかに受け入れかつ生み出すイギリス像を食文化を通して見せる。

目次

はじめに
Ⅰ 食卓の文化史
第1章 ローマ時代の食卓――地中海文化の洗礼を受けて
第2章 アングロ・サクソン時代の食卓――地産地消・自給自足の単純素朴な料理
【コラム1】馬肉の話
第3章 ノルマンの食卓――ワイン美食のノルマン人とビール素食のサクソン人
【コラム2】庶民はpig、支配者はpork
第4章 近世の食卓――豊かさを増す飽食の時代
第5章 激動の17世紀の食卓――質素倹約への反動
第6章 富と権力の18世紀の食卓――農業改革でロースト・ビーフが国民食に
第7章 産業革命時代の食卓――食事に見る上・中・庶民のステイタス
第8章 ヴィクトリア時代の食卓――帝国の隆盛と料理法の発展
【コラム3】茶とアヘン戦争
第9章 世界大戦中の食卓――栄養重視でまずいイギリス料理が定着
第10章 現代の食卓――変わりゆくイギリスの食文化
Ⅱ 外国料理天国イギリス
第11章 スコットランド料理――気候風土が生み出す独自の食文化
【コラム4】ハギス
第12章 ウェールズ料理――ラム・リーキ・レイヴァーが生み出すウェールズの味
第13章 フランス料理――カタツムリ、カエルの足からフォアグラ、キャビアまで
第14章 イタリア料理――高級料理から手軽な家庭料理まで
第15章 インド料理――国民食の一角を占めるカレー料理
第16章 中国料理――津々浦々に中国料理のテイクアウェイの店
第17章 ギリシャ料理――ワイン、オリーブオイルと様々なハーブが特徴
第18章 トルコ料理――世界三大料理の一つ
第19章 その他のエスニック料理――食のデータにあらわれたイギリスの食文化
Ⅲ 食材の文化史
第20章 ビーフイーターの国――主食は牛肉?
【コラム5】インド人と牛肉
第21章 豚肉とイギリス人――ベーコン作りは秋の風物詩
【コラム6】タブーとなったブタ
第22章 自由にできない森と川の恵み――領主が握る所有権
第23章 大麦とオート麦の話――イングランドとスコットランドの主食争い
第24章 小麦とライ麦の話――競い合うイギリスパンとフランスパン
第25章 ポテトの登場――貧民食から万能食へ
第26章 野菜の話――野草摘みからサラダレシピまで
【コラム7】レタスの話
第27章 紅茶の話――砂糖とミルクを入れて国民的飲料に
第28章 砂糖の話――薬、贅沢品から調味料へ
【コラム8】ロンドンのコーヒーハウスの風景
Ⅳ イギリスの食習慣
第29章 イングリッシュ・ブレックファストとコンチネンタル・ブレックファスト――ヨーロッパとは違う、イギリス独自の朝食文化
【コラム9】イングリッシュ・ブレックファストのおもいで
第30章 ランチとディナーの歴史をたどる――ディナーは昼食?それとも夕食?
第31章 ディナーとサパー――生活様式の変化と言葉の変遷
【コラム10】イギリス国王の食卓
第32章 アフタヌーン・ティーとハイ・ティー――対照的な二つのティー
第33章 テイクアウェイ――各種持ち帰り用料理
Ⅴ 本当はおいしいイギリス料理
第34章 フィッシュ・アンド・チップス――イギリスの伝統的な国民食
第35章 サンデー・ロースト――イギリスの正統性の象徴として
第36章 シェパーズ・パイ――階級を超えて愛される定番料理
第37章 ビーフ・ウェリントン――名前が一人歩きしたイギリス風料理
第38章 ヨークシャー・プディング――イングランド北部生まれ、スターターの女王
【コラム11】ステーキ・アンド・キドニー・パイ
第39章 焼き菓子の原点――スコーンとショートブレッド
第40章 クリスマスの究極のデザート――クリスマス・プディングとミンス・パイ
【コラム12】ブラック・プディング
第41章 マーマイト――イギリス文化の一つとなった食品?
第42章 キッパー――イギリス国民を支えてきた栄養食
Ⅵ 飲み物の文化史
第43章 ワインの話――ビールの国のワイン談義
第44章 ミードとサイダー――中世より伝わる伝統的なお酒
第45章 エールの話――イギリス伝統のビール
第46章 ジンの時代――ホガースの描いたジン横丁の退廃
第47章 禁酒法の時代――禁酒の歴史と現在の推奨摂取量
【コラム13】チョコレートは飲み物
第48章 ビターとラガー――ビールを巡る英・独のせめぎ合い
Ⅶ 文学に見る料理
第49章 シェイクスピアに見る料理――マジパン、肉のロースト、砂糖
第50章 ドライデンとコーヒーハウス――紳士の社交場
第51章 ジェイン・オースティンと料理――作家の食生活が料理本に
第52章 児童文学に見る料理――物語世界に現実味を添える「イギリスらしさ」
第53章 フィールディングとロースト・ビーフ――愛国者の味
第54章 ジョージ・オーウェルと紅茶――あのポレミックな作家がもらした紅茶講話
第55章 ジョージ・エリオット文学と料理の心――人生のユーモアと悲哀に溢れるお菓子屋さん
おわりに
図版出典一覧
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

60
まあ、あまりおいしそうには思えなかった。それでもクリスマスプディングにはまだ憧れがある。 近世、豚やシカの丸焼きをするのにくしを回すのは犬にやらせていたそうでそのために改良されたターンスピットドッグ、という種類がいた、という愛犬家の国らしくないお話。2023/06/12

ブルーツ・リー

5
このシリーズで、過去にも似たような趣旨の本があったのだが、そちらでは、イギリス料理のまずさを証明してしまうような内容であった。 曰く「イギリスではグリーンピースばかり出て来た」とか「レストランで『野菜』を頼んだら『米』が出て来た」とか。 もうこれは、無いものを言っても仕方ないという事なんだろうと思う。 改定したこの本に置いては、イギリスに「あるもの」をおいしく紹介する形を取っており、ローストビーフとか、フィッシュアンドチップスとか、イギリス料理のいい面を紹介してくれていた。 こちらの方が、建設的でいい。2023/04/16

たろーたん

2
イギリス料理はまずいことで有名だ。本の中でも、「形が崩れるほど煮込んだほとんど味のない野菜」「肉量はまだしも、くたくたに煮込んだスプラウトはどうにも喉を通らなかった」と散々な言われようだ。イギリスの定番料理であるフィッシュアンドチップスも、ただ油で揚げただけで「まずい」というよりも「味が薄い」「味がない」。もともと白身魚のため淡白だし、チップスにも塩味はついてなかったそうだ。塩や酢(モルトビネガー)、ディップを自由に使って自分好みに味付けして欲しいがイギリス流らしいが、味がないは普通にまずいだろ(続)2023/09/21

takao

1
氷河期の影響で野菜など植物の種類が極端に少ない。2024/12/04

mordidaman

1
不味いと評判のイギリス料理だが、そのイギリスの食文化の成立ちを複数の断面から語る55章。もともとイギリスのスイーツは美味しいと評判だし、華やかさは無いけど実は美味しい?イギリス料理を食べたくなる本でした。2023/10/26

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