藤原道長を創った女たち――〈望月の世〉を読み直す

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藤原道長を創った女たち――〈望月の世〉を読み直す

  • ISBN:9784750349893

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内容説明

藤原道長の栄花は、摂政の座に導いてくれた姉・詮子を始め、妻たち、天皇外戚の地位を実現した娘たち、紫式部に代表される女房たちといった女性の存在あってのものだった。こうした女性たちを一堂に紹介、道長との関わりの実態や、政治・文化への影響などを提示する。

目次

第一章 道長を創った女たち――ジェンダー分析の提唱[服藤早苗]
一 道長ブーム到来!
二 道長と女性たち
第二章 道長の〈母〉たち――実母時姫・庶母・父兼家の妻妾[高松百香]
一 実母・藤原時姫
二 藤原倫寧女(道綱母)
三 町小路の女
四 源兼忠女(道綱母養女の母)
五 藤原忠幹女(道義の母)
六 保子内親王
七 藤原国章女(綏子母)
八 権の北の方・大輔
九 中将の御息所
第三章 二人の同母姉と二人の異母妹――超子・詮子・綏子・道綱母養女[永島朋子]
一 超子――冷泉女御、三条生母
二 詮子――円融女御、一条生母
三 異腹の妹綏子――尚侍、東宮居貞妃
四 道綱母養女
第四章 正妻源倫子――妻として、母として、同志として[東海林亜矢子]
一 理想的な年上妻
二 華やかな活躍
三 倫子独自の活動
四 倫子という人
第五章 道長が愛した女性たち――次妻源明子、ツマ藤原儼子・藤原 子・源重光娘[東海林亜矢子]
一 藤原儼子
二 藤原 子
三 源重光娘
四 源明子
第六章 道長の長女・彰子の一生――天皇家・道長一家を支えて[服藤早苗]
一 深い信仰心の継承
二 養母と出産
三 父を支える国母の政治力
四 出家と道長の死
五 天皇家と摂関家を支えて
第七章 長女上東門院彰子の故実――語られ続ける〈大吉例〉[高松百香]
一 后としての上東門院の故実
二 女院としての上東門院の故実
三 伊賀国花垣荘改名説話にみえる上東門院
第八章 次女妍子――姉とたたかって[服藤早苗]
一 道長の望月の蔭で
二 姉彰子との間で
三 豪華な衣装の蔭に
四 旅立ち
第九章 三女威子と四女嬉子――それでも望月は輝き続ける[伴瀬明美]
一 藤原威子
二 藤原嬉子
おわりに
第十章 次妻高松殿腹の姫君――寛子と尊子[栗山圭子]
一 寛子(九九九?~一〇二五)
二 尊子(一〇〇三?~一〇八五)
第十一章 道長と関わった女房たち①――赤染衛門と紫式部[西野悠紀子]
一 赤染衛門――倫子の女房、歌人、学者受領の妻
二 中宮女房・紫式部とその同僚――公と私の狭間で
第十二章 道長と関わった女房たち②――天皇の乳母たちと彰子の従姉妹たち[服朗会(茂出木公枝、河村慶子、北村典子)]
一 道長と女房
二 藤原繁子と橘徳子――一条天皇の乳母
三 藤原豊子と大江康子――後一条天皇の乳母
四 大納言の君(源廉子)と小少将の君――彰子の従姉妹たち
第十三章 天皇と結婚した三人の孫内親王――道長の孫娘たち[野口華世]
一 三人の孫内親王
二 禎子内親王(三条天皇・妍子娘、後朱雀天皇妻、後三条天皇母)
三 章子内親王(後一条天皇・威子娘、後冷泉天皇妻)
四 馨子内親王(後一条天皇・威子娘、後三条天皇妻)
五 三人の内親王の共通点
主要人物系図
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ようはん

19
道長の出世を引き立てたのは姉の詮子であるが、正室の倫子の貢献や影響力も大きく女道長とも言うべき存在にも見える。2024/01/06

遊未

7
道長は源倫子をはっきり正妻として扱い、その子供たちも明子及びその子供たちと格差を着けていましたが、そもそも倫子は身分的にも経済的にも格上の女性であり、人間の扱い、知力、体力全てにおいて秀でた女性でその活躍は道長を支えた、なんてレベルではない凄まじいばかりです。かといってしゃしゃり出るイメージは残さずに。彰子もその能力を引き継いだのでしょうね。道長のお相手になった人々、娘たち、孫内親王まで紹介されています。2022/05/30

リリパス

2
簡単に書けば、「道長の母・道長の姉妹・道長の奥さん・道長の4人の娘たち・道長の3人の孫娘たち・道長や奥さんや娘や孫娘が住む家で働いていた(今風にいえば)メイドさんたち、が、どういう性格の人で、どういう人生を送った、どういう女性だったのか」ということを、じっくり丁寧に説明・解説している本です。中学や高校の日本史の授業では、道長の孫の天皇の話とか、男性の話は、あちこちでよくききますし、習いますが、道長に関する、身の回りの女性たちのお話というのは、習ったことがなく、勉強したことがなかったので、面白かったです。2021/01/05

Ayako Moroi

2
不勉強にして知らなかったことを色々学べた。道長室の倫子が、道長とは別に政所を持っていたとか、彼女のフットワークの軽さとか。倫子はほぼ和歌を残していないが、采配するのが役割で、和歌は周りの赤染衛門ら女房が詠んでいたのだろう。また、道長の女性の好み、という視点も面白い。成熟した大人の、健康的な女性が好きだったようだ。倫子も高松殿明子も、子だくさんで、長命だしね。2020/07/20

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