内容説明
雑居ビルの一室にある完全紹介制のクリニック。そこを訪れるのは、教師、議員、作家……といった「先生」ばかり。悩み疲れて、人生に迷う彼らに現代医療の“グレーゾーン”を巧みに渡り歩く医師が手を差し伸べる。
天才でも、善人でもない。患者を選り好み、型破りな診療を貫く彼は命の恩人か詐欺師か。しんどい心にじわっと効く医療脇道エンタメ小説。
【目次】
相談1 あいつさえいなくなれば 中学校教諭
相談2 新しい自分になりたいです 区議会議員
相談3 医者に向いてないんだね 内科医
相談4 認知症ってことにできませんか 作家
相談5 寿命を延ばしていただきたい 会社理事長
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
荒川叶
41
グレーゾーン、今ではよく聞く言葉。 グレーという事は時には黒に染ってしまう可能性を秘めている。黒になる前にに誰かが手を差し伸べなければいけない。だってギリギリだから。 ギリギリまで頑張って、どうしようもない絶望感。 黒にできたら楽だけど、出来ない自分がいるから辛い。 そんな時、人に真剣に向き合い話してくれる人、気持ちを隠さず話せる場所って必要。話の中で視点も変わっていく事もある。 人生は白黒を求めやすいけど、黒にならなければいい。 グレーでととどまれたならそれだけであなたは凄いって思う。2025/06/17
mayu
26
繁華街の中にある古びたビルの二階にある完全紹介制の診療所「プライベート・メディカル・コンサルタント」通称PMC。怪しげな場所に怪しげな名前の診療所の先生が観るのはあと一歩踏み外せば絶望に堕ちてしまうギリギリな人達ばかり。診療は話を聞くことであり、処方はアドバイス。追い詰められて雁字搦めになっている人達をそんな方法で?という本橋先生はグレーな方法で救っていく。あー、こんな先生に出会えたらなぁ〜ととても思う。まだまだ謎に満ちているので続編が描かれそうで楽しみな一冊。2025/06/24
akiᵕ̈
23
院長の本橋は白衣も着ず、スタッフはレセプトもこなす看護師1人だけという訳アリさんを診るクリニック。紹介されて訪れるのは、教師、議員、作家など無理難題を言ってくる人ばかり。そこに、白黒つける必要はない、人はグレーでいいんです、と言い放ち、心に秘めているものを見抜き、とんでもない対応で訪れた人にアドバイスをしていく。親との確執を抱えている相談1と4のケースは、まさにな対応!相談2と5も、その発想いかんで窮地を凌げる策。ただの医師とは違い、グレーゾーンを駆使して行き場のない人たちを救う、一風変わった医療物語。2025/06/17
Kazuko Ohta
19
このタイトルにこのジャケットだから軽くスイスイ読めるだろうと思っていました。それでも、グレーゾーンという語から発達障害を持つ医師を勝手にイメージしていたので、センシティブな話ではあるのかなと。そうしたら、そっちのグレーゾーンではなくて、医師が患者に提示する治療方法というのか解決方法がグレーゾーンそのものでした。毒親の介護に絶望したり、不祥事を起こした家族のせいで体を壊したり、「死ぬ」あるいは「殺す」ことしか考えられなくなっている人への処方箋。本橋先生は素晴らしいけど、コーラは飲み過ぎじゃないですか(笑)。2025/07/04
☆Ruy
12
初読み作家さん。とても良かった。怪しげな場所にあるクリニック。診療ともカウンセリングとも違うでもキチンと問題を解決。シリーズ化して欲しい作品。カバーイラスト見たとき大泉洋?って思って手に取ったけど選んで良かった。紹介制のクリニックで好んで診る患者はどこにも行き場のない患者ばかり。医療だけでは解決出来ない問題を抱えた人たち。病気だけを診るのではなく患者と患者に関わる人や問題全体を包括的に診る。プライベートメディカルコンサルタントと言う診療所の名にぴったり。奥田英朗先生の空中ブランコを思い出した。2025/07/15
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