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内容説明
台湾在住の日本人である筆者が、歴史上内部に複雑な多様性を抱えざるを得なかった「台湾」という概念がどう作られてきたのかを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
96
ザっと台湾史。言葉が丁寧。2025年6月刊行2025/09/07
Hatann
8
台湾在住14年の日本人研究者による台湾学のススメ。サイードやスピヴァクを援用して、日本人が台湾を語るに日本人自身の存在を含めて語る必要を示す。台湾の歴史と言語状況を紐解き「台湾らしさ」を、外部との相違、内部での包摂の両面から分析する。漢字を日本文化と捉えるのと同様に、台湾人が複雑な過去をそのまま引き受けて将来に向かい「台湾らしさ」を語ること、過去の記憶を共有する日本人も自己や共同体の再定義とともに新たな関係性の構築に向かうべきことを語る。布農族が「カミサマ」を日本人と同義に使用するという指摘に驚く。良著。2025/09/23
chang_ume
8
「親日な台湾」という日本側からの台湾観に対する問題提起を切り口に、葛藤を続ける台湾アイデンティティの変転について腑分けする。問題設定そのものに異論はないですが、いかんせん90年代カルチュラル・スタディーズ由来の思考鋳型がむき出しすぎて、概念操作にややくどさを感じた。巻末で紹介された編集者の助言のとおり、筆者の生活史を通じた事例蓄積や台湾史の生々しさにもっと重点を置いた方がよかったのでは。文化左翼言説のふわっとした気分の良さになってはしませんか。問題設定自体は優れていただけに残念です。2025/09/10
ichigomonogatari
8
知っているようで知らない台湾の複雑な姿とその背景にある事情を伝えてくれる本。明、日本、国民党と支配者が変わりながら長きに渡り抑圧されてきた台湾は、その時々の支配者に彼らの文化を押し付けられてきたことに加えて移民国家ゆえ文化や言語が多様で多層的だという。「台湾らしさ」や「台湾人」をめぐるアイデンティティはどのように形作られてきたのか、それが台湾社会にどう作用しているかに着目。かつての日本文化や中国文化を再解釈し包摂すること、それが「台湾らしさ」ではと。台湾の複雑さにちゃんと向き合うことの大切さを訴える。2025/08/06
左手爆弾
3
一貫して台湾についての「まなざし」や「語り」を問題にした本。スピヴァクやソンタグなどの理論を応用している部分もある。たとえば、日本人が語りたがるのは「親日的な台湾」であり、コロナ禍での「優等生」としての台湾である。歴史を振り返ると、原住民の時代、オランダ統治、清統治、日本統治、中華民国、民主化など、一本道ではいかないものの、それぞれが台湾のアイデンティティになっている。台湾に懐かしい「日本らしさ」を見出すことはできるが、それは日本人のために作られたものではなく、台湾人自身が見出したものである。2025/10/10
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