あなたの名

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あなたの名

  • 著者名:小池水音【著】
  • 価格 ¥2,145(本体¥1,950)
  • 新潮社(2025/07発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103550426

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内容説明

余命わずかな継母と、念願の出産を控えた娘。母が去り、父が去り、長年この継母をただ一人の母として生きてきた娘は、その姿をなんとかこの世にとどめようと、母の《記録》を専門の担当者に依頼する。やがて継母は、心の底に沈めていた記憶を語りはじめる……。思い出すことの痛みとその豊かさ。期待の新鋭による意欲作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

練りようかん

16
既読の『息』は身体性の高い描写に引き込まれたのだが、表題作は余命僅かな高齢女性が語り手で身体の動きも日々の記憶力も衰えをみせる描写に、逆のパターンがきた!と気持ちが盛り上がった。美しい景色を思い出す場面は瞼を閉じようもんなのに開くとあり、何かあるぞと意識が集中。娘が提案する「記録」によって50年間潜んでいたものがあらわになる展開で、林の景色と美しい景色の重ね方が上手かった。ここでは未来のための記録だけれど、記録は過去、記憶は未来に向かうものだと感じたのが面白い。ラストが三島賞候補の理由かな。他作も読む。2025/09/02

信兵衛

16
小篇の「二度目の海」も含め、本作は<記録>と<記憶>を描いたストーリー。 そしてそこに、名前はどれだけの想い、重みを持っているのか。 改めて問われることによって、そこに清新な印象と、深い切なさを感じます。お薦め。2025/08/28

はね

3
図書館の新刊コーナーで、このような好みの本に出会うことがある。作者さんは若いのに登場人物に老人多し。溌剌とはいえない体の動き、思考の巡りを良く書きましたね2025/09/15

chuji

3
久喜市立中央図書館の本。2025年7月初版。初出『あなたの名』「新潮」2024年12月号〈三島由紀夫賞候補作、中編〉、『二度目の海』「新潮」24年6月号〈短編〉。小池さんの著作は三冊目の読了。2025/08/13

としき

1
「記録」は確かに近い将来、こんなことが出来るのだろうと想像できる。しかし、このような記録は本当に必要なのだろうか?ひとの「記憶」を通した記録は、あいまいでぼやけている。それを「記録」として残すことに意味を感じない。本にも現実の世界には名前があるが、記憶の世界には名前がない。あなたの名は・・・・・2025/09/01

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