内容説明
釣り人が沼に消えた――
そこに、何かが、いる・・・・・・
河童伝説の残る牛久沼で、釣り人の惨殺死体が発見された。
はたして、犯人は河童なのか?
茨城県の牛久沼で、釣り人が沼に引きずり込まれるという事件が起きた。
後に発見されたバラバラ死体。いったい、何者の仕業なのか。事件の唯一の目撃者は、河童にやられたと証言するが……。
沼には、何かが潜んでいる――宿なしのルポライター有賀雄二郎と、つくば中央署の阿久沢健三は、川漁師の源三、少年太一の協力を得て、河童伝説の残る地で真相究明に乗り出した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
167
柴田さん小説デビュー作。茨城県牛久沼で釣り人が何かに襲われて殺される。牛久沼に語り継がれる河童が犯人なのか?刑事・阿久津、ルポライター・有賀、川漁師・源三、中学生・太一、各々に事情を抱える4人が謎を追う…『TENGU』の破天荒な面白さと違って、地味な展開なので中盤までは緩い感じだったが、そこまでの過程によって4人の心情に共感できて、彼らが力を合わせて河童を追い詰めてゆく終盤はワクワクした。初期作なので雑さもあるが、著者の少年のような好奇心とサービス精神が伝わってきて楽しい。忠犬ジャックが名脇役だった💛 2020/05/11
nobby
143
シンプルに脅威を追うのが面白い♬釣り人が沼に引きずり込まれ、頭から食いちぎられ…目撃者の証言は河童のしわざ、確かに現地は河童伝説で有名な場所で…中盤はブラックバス釣りに傾倒し過ぎて心配もしたが、気付いてみれば人物や事象が見事に繋がり納得。何より悪者が登場しないのが清々しい一方で、作品の本意に人間の身勝手さへの提言感じるのも深い。KAPPAの意外とも思わせる正体を生物学的根拠から導いていく様は魅力的!自分の浅はかなSF的予測がハズれたことにも安心(笑)いざ捕獲にむけて臨場感溢れる恐怖に程よい緊張を味わえる。2020/05/12
chiru
95
物語の舞台は河童伝説で有名な牛久沼。多くの人が釣りを楽しむスポットで凄惨な事件が発生。見つかった遺体には獰猛な動物に引きちぎられた跡が…。捜査に協力する宿無しルポライター&🐶一匹、引退間際の老漁師と引きこもり少年が加わり年齢や境遇もバラバラな男たちが謎の生物の捕獲大作戦に乗り出す。ここから一気にワクワク感が加速❗️謎解きPRG要素と少年達の息詰まる戦い、危険な冒険とノスタルジー。少年と無骨な男たちの『大人のスタンドバイミー』楽しかった❣️河童の正体はハズレたけど大満足⭐️続きがあれば読みたいな❣️ ★52022/01/14
10$の恋
46
上半身がザックリと無い死体。現場は牛久沼。調査する警察の常識的捜査も暗礁に乗り上げた。興味を持ったルポライターの有賀が現地滞在で謎を追う。怪奇小説と思いきや、あらぬ方向に引き込まれていく。あたかも河童に引きずられるかのように。キーワードは「二年前」、何があったのか?現地取材で点と点が線で繋がる。ブラックバスと生け簀が繋がる。更なる糸口はどこだ。やがて明らかになった正体_。生態系の崩壊の悲劇、4人の男のやり遂げる意志、連携、プライド、そして友情。男共の頑強な踏ん張りに、一気に胸熱状態で最終頁まで読み終えた。2022/07/18
ぽろん
45
図書館の新着リストで見つけて、河童の文字に惹かれて予約。牛久沼での惨殺遺体が発端となり、これは、事件なのか、事故なのか。牛久沼の河童伝説も相まって不良ルポライターと警察官が奴に迫っていく。川に潜む正体不明の奴が何とも不気味で恐ろしいが、川漁師の源三さんも味のある人で物語としてとても面白かった。2019/10/05
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