内容説明
民主主義はどこへ行くのか?
民主主義の危機が問われるいま、その普遍的な「理念」と具体的な「実現」とはどのようなものなのだろうか。
本書は、ポスト・トゥルース的な右派ポピュリズムが席捲するように見える現代の民主主義の危機を理解し、それに応答するために、民主主義の普遍的な理念とその具体的な実現の両方に軸足を定めつつ、古代から中世・ルネサンス、社会契約論から十九世紀のマルクス主義などの進歩主義、第二次世界大戦の衝撃から二十世紀後半の社会運動、そして現在進行中の出来事へと論を運ぶ。
さらには、気候変動、パンデミック、排外主義的なポピュリズムの席捲などを見すえて、民主主義の「未来」を覗き見ようと試みる。
政治学史ではここ数十年、ケンブリッジ学派の台頭や個別的な研究の深まりのなかで、〈どう生きるべきか〉という規範的な問いはややもすれば後景に退いてしまった。
広く長い歴史的視座で簡潔にまとめられた本書は、「民主主義」を思考するための新たなスタンダードとなるはずだ。オックスフォード大学出版局の人気シリーズの待望の翻訳! 「合衆国権利章典」「人および市民の権利の宣言」「世界人権宣言」を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
八八
2
民主主義とは何か。現在、世界中で叫ばれる民主主義の危機において、そもそも民主主義とは何かを問うことは重要だ。本著は、民主主義の理念と実現の両方に目配せし、古代から現代までの哲学者や政治学者の思想を辿りながら、同時代の社会や文化と絡めながら論じていく。最終章における陰謀論と現代の民主主義に関する論述は、今の問題を考える上で参考となる。2025/07/17
Go Extreme
2
民主主義が危機に陥っている 国際的な民主主義全体に関わる問題 規範的なアプローチによる理想的基準 政治参加を通じた道徳的正当化 支配される者たちが支配に関与すること 言論の自由による活発な批判不同意の余地 多数派支配と少数派の権利保護 西洋中心主義的視点に抵抗する試み 森頭政治として批判されたアテナイ民主主義 マグナ・カルタによる法に基づく政治 社会契約に基づく統治の正当化 権力分立による政府機関の独立 代表なくして課税なし 最大多数の最大幸福による功利主義 生産手段支配による労働者革命的団結2025/05/12
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